ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ウクライナ東部ドネツク州の商店街にロシア軍の攻撃 17人死亡
ウクライナ東部ドネツク州で6日、商店街にロシア軍の攻撃があり、これまでに17人が死亡したほか32人がケガをしました。
ゼレンスキー大統領は市民を狙った意図的な攻撃だとしてロシアを非難しました。
ウクライナ当局によりますと東部ドネツク州の激戦地バフムトから20キロあまり西のコスチャンチニウカにある商店街に6日、ロシア軍の攻撃があり、17人が死亡したほか、32人がケガをしました。
現地からの映像では商店街の通りで何かが飛んでくるような音の後に突然、爆発が起き、複数の商店や車が焼け焦げた様子がわかります。
ゼレンスキー大統領は「誰もがここは市民が暮らす場所で、軍の施設が近くにないことは知っている。 攻撃は意図的だ」と述べ、市民を狙った攻撃だとしてロシアを強く非難しました。
ウクライナ南部ドナウ川沿いの都市でロシア軍による無人機攻撃
ウクライナ当局によりますと6日には南部のドナウ川沿いの都市イズマイルでロシア軍による無人機の攻撃があり、1人が死亡し、港湾施設などが被害を受けたということです。
ロシア軍はこの地域で無人機による攻撃を繰り返していて、ルーマニア政府は、6日、ウクライナの対岸のドナウ川沿いの領内で、落下した無人機の一部とみられるものを発見し、ロシア軍のものか調べていると明らかにしました。
NATO=北大西洋条約機構の加盟国のルーマニアのヨハニス大統領は「ロシアの無人機と確認されたらわが国とNATO同盟国の主権と領土の一体性に対する深刻な侵害となる」と述べ、ロシアをけん制しました。
ウクライナ南部オデーサの歌劇場で日本人がオペラ指揮へ
ロシアによる攻撃が続く中、ウクライナの人たちを音楽で勇気づけようと、国際的に活躍する指揮者の吉田裕史さんが、南部オデーサの歌劇場で、オペラを指揮することになり、6日、現地でリハーサルが行われました。
ウクライナ南部オデーサの歌劇場は、ロシアによる軍事侵攻を受けて一時、公演を休止していましたが、去年6月に再開し、オペラやバレエなどの公演を続けています。
この歌劇場で、おととし首席客演指揮者に就任した吉田裕史さん(54)がシーズン初日の今月10日にオペラを指揮することになり、6日、現地でリハーサルが行われました。
吉田さんはイタリアを拠点に活躍する指揮者で、ロシアによる攻撃が続く中、音楽でウクライナの人たちを勇気づけようと、軍事侵攻が始まって以来初めてウクライナでオペラを指揮することにしたということです。
吉田さんが選んだ演目はイタリアの作曲家、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」で、19世紀前半のパリで夢や希望を抱く若い芸術家たちの青春のストーリーです。
吉田さんは「このオペラを通して、勇気、希望、そして友情を届けたいと思います。戦争という大変な状況の中でも、音楽は必要とされています」と話しています。