宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、「ムーンスナイパー」の異名を取る月探査機「SLIM(スリム)」が月面の目標地点から55メートルの位置に着陸したことについて、意義深い成功との見方を示しました。ただ着陸時に発生した問題により、ミッション自体は遂行が危うい状態にあります。
JAXAが共有したデータによると、無人機のSLIMは米東部時間19日午前10時20分(日本標準時20日午前0時20分)すぎに着陸を果たしました。
JAXAの担当者は記者会見で、月面への降下中、高度50メートル付近で何らかの異常が発生したと説明。このためメインエンジン1基の推進力が失われ、エンジンが上を向いた、ほぼ鉛直の姿勢での接地を余儀なくされたということです。
現在、探査機の太陽電池は想定した上方ではなく西方向を向いています。太陽電池での発電が可能になった際に安定した状態でシステムを再起動する電力を残すため、内蔵バッテリーの電源は切られています。