中心の気圧は990ヘクトパスカル、最大風速は25メートル、最大瞬間風速は35メートルで、暴風域はありませんが、中心の北東側390キロ以内と南西側330キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
▽日南市付近ではレーダーによる解析で午後4時までの1時間におよそ120ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁が「記録的短時間大雨情報」を発表しました。 ▽宮崎市にある宮崎空港では、午後7時までの72時間の雨量が700ミリを超えるなど記録的な大雨となっています。 宮崎県では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。引き続き、土砂災害や川の氾濫に厳重な警戒が必要です。
台風の接近に伴い17日は西日本を中心に、18日は西日本から北日本にかけての広い範囲で雨や風が強まる見込みで、特に大雨に警戒が必要です。
▽九州北部で250ミリ ▽四国で200ミリ ▽九州南部で150ミリ ▽近畿で120ミリ ▽東海で100ミリと 予想されています。 さらに18日夕方までの24時間に降る雨の量は ▽四国、近畿、東海、関東甲信で200ミリから300ミリ ▽中国地方、北陸、東北で100ミリから200ミリ ▽九州北部で100ミリから150ミリと 予想されています。 中国地方や四国の瀬戸内側など、ふだん雨が少ない地域でも雨量が多くなるおそれがあります。
17日にかけて予想される最大風速は ▽九州北部と四国で25メートル ▽中国地方と近畿で23メートル ▽九州南部で20メートルで 最大瞬間風速は ▽九州北部、四国、中国地方、近畿で35メートル ▽九州南部で30メートルなどと 予想されています。 波も高くなる見込みです。また、瀬戸内海に面する地域では17日の夜は潮位が高くなる時間帯と台風が近づく時間帯が重なるため、高潮にも警戒が必要です。 気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、暴風、高波それに高潮に警戒し、落雷や竜巻などの突風にも十分注意するよう呼びかけています。
15日の海面水温の状況を見ると、台風が停滞していた東シナ海付近は28度から29度ほどで平年より1度前後高くなっています。
台風のメカニズムに詳しい名古屋大学の坪木和久教授は「台風が東シナ海で再発達するには、海水温に加えてジェット気流の流れといった大気の状態などかなりの条件が整わなければならず、今回は“まれ”な台風だと言える」と指摘します。 そのうえで「東シナ海の海水温は高くまだ発達する可能性もある。さらに台風の北側にあるジェット気流は1000キロほど離れた位置にあるため、大気の面からも発達できる環境が整っている」と指摘しています。
台風はその後、温帯低気圧に変わる見込みですが「台風だから危険で、温帯低気圧だから安心だ」というわけでは決してありません。 坪木教授も「温帯低気圧は広い範囲で強風や大雨、突風をもたらすおそれがある。前線も南側にあって大量の水蒸気が流れ込むため警戒が必要だ」と指摘しています。
地域の災害の危険性はハザードマップなどで確認できますが、おととしの台風19号では台風の接近・上陸後にアクセスが集中し、ウェブサイトを閲覧できなくなった自治体もありました。
また、気象庁ホームページの危険度分布「キキクル」や自治体の避難情報など最新の情報をこまめに確認するようにしてください。
各地で備えの動き
<福岡 糸島>漁港 船を岸壁に固定
<鳥取>観光農園 梨の落下など防止にネット設置
17日は西日本 18日は西~北日本で雨や風が強まる
暴風 高波 高潮にも警戒
なぜ、予報が変わったのか?
<15日 0:00>中心付近に活発な雲域なく勢力弱まる
<16日 2:00>積乱雲まとまり始める
要因1. 停滞した東シナ海 海面水温が平年より1度前後高い
要因2. より海面水温の高い方向へ 水蒸気を補給
専門家「再発達“まれ” しかしまだ発達の可能性も」
<15日 18:00>進路予報 対馬海峡付近→日本海側
<16日 18:00>進路予報 九州~関東 各地に影響か
「リードタイム」意識して備えを
「ちょっと…台風、勘弁してください…」
「温帯低気圧に変わる予報だったじゃないか…」
「台風が来るから明日は小学校、休校でオンライン授業ですって」
突然の予報の変更に、ネット上ではこうした投稿も見られました。なぜ、大幅に変わったのでしょうか?
台風14号 あす西日本に上陸か