大阪・ミナミの道頓堀を歩くと、店舗の敷地から道まで飛び出した派手な立体看板がいくつも目に飛び込んでくります。カニやウシ、スシ、メロンパンまでも。そのたたずまいには、目立ってナンボの大阪商人の精神が具現化されています。
「大阪王将」の全長4・5メートルもある餃子、「元禄寿司」の3メートルの赤身の握りをつかむ手です。道頓堀を飾る立体看板を次々と納めてきたのが、従業員わずか4人の中小企業「ポップ工芸」(大阪府八尾市)です。
中村雅英社長(71)にアドバイスを求めながら、若いスタッフが慎重に発泡スチロールを削り出し、塗装していきます。1体の立体看板をつくるのに約1カ月かけているということです。
我流で立体看板の技を磨いてきたポップ工芸の中村社長です。今は後進を育成、指導しながらユニークな立体看板を国内外へ送り出し続けており、年間40体前後の受注があります。