そのうえで河野氏は、記者団から「1回目の投票で2位だった人を決選投票で選ぼうという動きもあるが、どう考えるか」と問われたのに対し「私が総裁に選ばれれば、決選投票でも党員の声がきちんと反映されるルールにしていきたい。今回も、ルールは違うが、国民の声にきちんと耳を傾けた総裁選挙が行われるものと信じている」と述べました。
このあと河野氏は、陣営の幹部を務める伊藤 元金融担当大臣や坂本一億総活躍担当大臣らと党本部を訪れ、二階幹事長と会談しました。
出席者によりますと、河野氏が支援を求めたのに対し、二階氏は「頑張ってもらいたい」と応じたということです。
また河野氏は、まだ態度を決めていないとみられる議員を中心に電話をかけるなどして支持拡大を図りました。
この中で、岸田氏は「われわれは決して派手ではないが、着実に多くの国民の支持を積み上げてきた。私たちが訴えてきた『新しい資本主義』や『デジタル田園都市構想』、外交・安全保障をはじめ、さまざまな政策が多くの国民の心に届いてきた結果であり、成果だと確信している」と述べました。 そのうえで「あす開票が終わるまで決して予断は許されず、1つのミスや失言が、大きく勝敗に影響するという緊張感を持ち続け、頑張り通さなければならない。私の全てをかけて、結果が出るまで戦い続ける所存だ」と強調しました。 そして、岸田派は、所属議員全員が、ほかの候補者の支持を表明している議員にも個別に接触して働きかけ、国会議員票のさらなる上積みを図ることを確認しました。
このあと高市氏は記者団に対し「きょうまで正々堂々とよい選挙戦をさせてもらったことにお礼を申し上げた。人事を尽くして天命を待つ。多くの人の志や、政策への理解が進んでいると信じて、最後の1秒まで一生懸命戦う」と述べました。 これに先立ち高市氏は、党本部で二階幹事長と会談し、告示以降、総裁選挙の事務作業が滞りなく進んでいることに謝意を伝え、二階氏は「きょう1日、まだあるので頑張ってもらいたい」と激励したということです。
会合で、野田氏は「20人から始まった私たちの陣営が守るのは、国民1人1人の暮らしだ。1人で苦しんでいる人や泣いている人がいたら、そこに飛び込む自民党につくり変えていきたい」と述べました。 そのうえで「きょうも、たくさん電話をさせていただいた。出遅れが響いていて本当に苦労をかけているが、最後まで一番を目指して頑張り抜く」と強調しました。 また、これに先立って、野田氏は自らが会長を務める、生殖補助医療に関する法整備を検討する超党派の議員連盟の会合に出席しました。 この中で野田氏は「恥ずかしいことでも、後ろめたいことでもない大切な治療なのに、精子や卵子の提供はまだこっそり行われている。日本の社会のゆがみを変えていきたい」と訴えました。
今回の自民党総裁選挙は、27の都道府県で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されている中で行われています。 このため、全国各地で候補者が支持を訴える街頭演説会は見送られ、国民からの質問に候補者が直接こたえるオンラインでの政策討論会が初めて行われ4日続けて行われました。 また、各候補者や陣営によるSNSでの発信もこれまで以上に活発に行われています。 河野氏は、ツイッターに総裁選挙専用のアカウントを作って立候補を表明した今月10日から発信を始めました。 岸田氏は、インターネット上に目安箱を設けて、寄せられた質問や意見に回答する様子を「ユーチューブ」で配信しました。 高市氏は、自身の総裁選挙の特設サイトを立ち上げ、政策ごとの画像を掲載しSNSでの拡散も依頼しています。 野田氏は、総裁選挙の期間中、活動の様子を毎日、ブログなどにつづって発信しています。 一方で、自民党の国会議員には、今回の選挙で、みずからが支持する候補者をツイッターで表明するケースも多くみられるなど、総裁選挙の様子も大きく変化しています。
この中では、派閥として高市前総務大臣と岸田前政務調査会長を支持すると決めたことを踏まえ、2人のうち、いずれかが決選投票に進んだ場合には、まとまって支持するよう呼びかけました。
会合で、派閥の会長代行を務める河村元官房長官は、派閥内で意見が分かれていることを踏まえ、「それぞれの立場は十分に尊重したい。自分の応援している候補者が決選投票に進まず、迷うことがあれば、二階幹事長や幹部に相談してもらいたい」と述べ、二階氏も「そのとおりだ」と応じました。 そして決選投票になった場合も、それぞれの判断に委ね、事実上の自主投票とすることを確認しました。 このあと河村氏は記者団に対し「できるだけまとまっていきたいという思いはあり、気持ちは1つだ。しかし、候補者と特別な縁がある議員や、すでに陣営の体制の中で頑張っている議員もいるので、それを尊重しようということだ」と述べました。
また、決選投票になった場合の二階派の対応について、記者団が「派閥としてまとまって対応すべきか」と質問したのに対し「対応したくない人は出ていってもらうよりしかたない。プロの世界だから、愚問ではないか」と述べ、派閥として結束して行動する考えを強調しました。
この中で、会長を務める石原・元幹事長は「派閥としては自主投票にしていて、いまはそれぞれ陣営が分かれている。決選投票が非常に濃厚になってきたので、各自、道理をわきまえて、難局に当たっていこう」と述べました。 このあと会合では、選挙の情勢について意見を交わしましたが、出席者によりますと、決選投票になった場合の対応までは議論は行われなかったということです。
そのうえで「私も完全にその考え方を共有している」と述べ、みずからも岸田氏を支持する考えを示しました。
岸田氏 派閥の臨時総会「全てをかけて戦い続ける」
高市氏 国会近くの神社参拝「人事を尽くして天命を待つ」
野田氏 陣営の会合で「最後まで一番を目指して頑張り抜く」
コロナ禍での総裁選 各候補はネット上の運動に力入れる
最大派閥の細田派 “高市氏か岸田氏”
二階派 事実上の自主投票
石原派 臨時総会も“決選投票の対応までは議論は行われず”
茂木外相 岸田氏支持の考え示す
坂本一億総活躍相 河野氏陣営「厳しい情勢も 最後の力を」