1988
年に
発表された
小説『
悪魔の
詩』で
イスラム教を
冒とくしたとして
反発を
招いたイギリスの
作家、サルマン・ラシュディ
氏が12
日アメリカ・ニューヨーク
州の
講演会場で
男に
刺されました。ラシュディ
氏は
首や
腹などを
刺され、
アメリカの
メディアは
片目を
失明する
おそれが
あると
伝えていて、
警察が
事件のいきさつを
調べています。
地元の警察によりますと12日午前、アメリカ・ニューヨーク州西部にある教育施設で、インド出身のイギリスの作家、サルマン・ラシュディ氏が講演のため、ステージの上にいたところ、駆け上がってきた男に突然、刺されたということです。
ラシュディ氏は首や腹などを刺され、病院で手術を受けているということで、アメリカのメディアは代理人からの情報として、ラシュディ氏は人工呼吸器をつけていて、片目を失明するおそれがあると伝えています。
警察はラシュディ氏を刺した20代の男をその場で取り押さえ、事件のいきさつを調べています。
ラシュディ氏をめぐっては、1988年に発表した小説『悪魔の詩』がイスラム教を冒とくしているとして、当時のイランの最高指導者だったホメイニ師が死刑を宣告する宗教令を出すなどイスラム諸国の反発を招き、各国で出版に関わった人が襲撃される事件が相次ぎました。
日本でも1991年、『悪魔の詩』を日本語に翻訳した筑波大学の五十嵐一さんが何者かに殺害される事件が起きましたが、2006年に時効になっています。