「COCOA」は、アプリをダウンロードしているスマートフォンが発する電波情報を受信し、自分のスマートフォンに自動的に記録します。
記録している電波の範囲はおよそ30メートルで、環境によっては60メートルほど離れていても記録できるとされていますが、「COCOA」は濃厚接触の可能性を洗い出すのが目的のため、1メートル以内に15分以上いた人が新型コロナに感染してアプリに陽性登録した場合に通知されるようになっています。
一方、「COCOAログチェッカー」は電波を受信した範囲内に1分以上いた人の中から「COCOA」に陽性登録した人がどれだけ出たかを確認できるようになっています。
厚生労働省によりますと、「COCOA」は今月5日時点でおよそ3879万件ダウンロードされていて、「COCOAログチェッカー」は作成者によりますと、多いときで1日におよそ3万件の利用があるということです。
都内に住む30代の男性は、先月29日から31日にかけて、新潟県で行われた大規模な野外音楽イベントに3日間参加しました。 男性は今月4日に「COCOAログチェッカー」を初めて利用したところ、周辺で感染確認された件数は、イベント初日の先月29日が94件、30日が104件、31日が105件に上り、いまも増えているということです。 男性によりますと、会場内では参加者の9割ほどはマスクを着用していましたが、ステージに近いところでは密集状態になって、マスクを外している人もいたということです。 男性はイベント終了後も症状はなく、感染は確認されていないということで、「自分は常にマスクをして、2時間から3時間ごとに交換していましたが、マスクを外して大声で歌う人もいました。COCOAログチェッカーの結果は、イベントの様子を考えると想像通りと思いましたが、実際に件数を見るとびっくりして怖かったです」と話していました。
埼玉県に住む40代の男性は先月29日から31日にかけて、新潟県で行われた大規模な野外音楽イベントに3日間参加しました。 男性は今月3日になって38度の熱が出たため、保健所から配送された抗原検査キットで確認した結果、新型コロナの陽性反応が出たということです。 その後、今月6日に「COCOAログチェッカー」で調べたところ、周辺で感染確認された件数はイベント初日の先月29日が76件、30日が104件、31日が107件に上ったということです。 男性はイベントの期間中、密集はできるだけ避けてマスクを着用していましたが、めがねが曇るのを避けるため鼻の部分だけマスクを外す時間もあったということです。 男性は「マスクのつけ方が甘かった部分もあって、周囲にあれだけ陽性者が出たならコロナになるべくして感染したのかなと感じます。今後もイベントは参加したいですが、感染対策は徹底しようと改めて思いました」と話していました。
中には「ログチェッカーで見たら、毎日陽性者とすれ違ってるな。通勤怖いわー」とか、「近所で買い物した日に2度、ワクチン打ちに行った日に2度、ついこの間牛乳買いに行った時に1度。全て近所。忍び寄って来てる!」などと、自分のすぐ周辺で感染した人が出ていることへの怖さや危機感などをつづる人もいます。 また、「こういうのが欲しかった」とか「これはリスクを実感するのにいい」などと、感染リスクを認識するのに有効だとする投稿も見られます。
周辺の感染確認 100件超えも
感染が確認された利用者は
SNSでも利用者の投稿相次ぐ
厚生労働省「感染対策の一環で活用を」