岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「私わたしたちが享受きょうじゅしている平和へいわと繁栄はんえいは戦没せんぼつ者しゃの皆様みなさまの尊とうとい（たっとい）命いのちと苦難くなんの歴史れきしの上うえに築きずかれたものであることを、私わたしたちは片時かたときたりとも忘わすれない」と述のべました。

そのうえで「戦後せんご、我が国わがくには、一貫いっかんして、平和へいわ国家こっかとして、その歩あゆみを進すすめ、歴史れきしの教訓きょうくんを深ふかく胸むねに刻きざみ、世界せかいの平和へいわと繁栄はんえいに力ちからを尽つくしてきた。戦争せんそうの惨禍さんかを二度にどと繰り返くりかえさない。この決然けつぜんたる誓ちかいをこれからも貫つらぬいていく」と述のべました。

そして「いまだ争あらそいが絶たえることのない世界せかいにあって、我が国わがくには、積極せっきょく的てき平和へいわ主義しゅぎの旗はたのもと、国際こくさい社会しゃかいと力ちからを合あわせながら、世界せかいが直面ちょくめんするさまざまな課題かだいの解決かいけつに全力ぜんりょくで取り組とりくんでいく」と強調きょうちょうし、参列さんれつ者しゃ全員ぜんいんで1分間ふんかんの黙もくとうをささげました。

そして、参列さんれつ者しゃが式しき壇だんに菊きくの花はなを手向たむけ、戦争せんそうの犠牲ぎせいになったおよそ310万まん人にんの霊れいに祈いのりをささげました。

最年長さいねんちょうの参列さんれつ者しゃで広島ひろしま県けんに住すむ95歳さいの澤崎さわざき卓たく兒さんは、昭和しょうわ20年ねん、軍医ぐんいとしてフィリピンに出征しゅっせいしていた兄あにの進すすむさん（当時とうじ34）を亡なくし、また、終戦しゅうせん後ごにシベリアに抑留よくりゅうされていた兄あにの源みなもと次じさん（当時とうじ26）を昭和しょうわ22年ねんに病気びょうきで亡なくしました。

澤崎さわざきさんは「兄あにに今いまのわたしを見みて安心あんしんしてほしいという思おもいで参列さんれつしました。わたしも終戦しゅうせんの1年ねん後ごにいまの北朝鮮きたちょうせんからの引き揚ひきあげで大変たいへん苦労くろうをしましたので、若わかい人ひとにはこのような思おもいは絶対ぜったいさせたくない」と話はなしていました。

また、戦争せんそうの記憶きおくを受け継うけついでいこうと、遺族いぞくとして参列さんれつした高知こうち県けんの小学しょうがく2年生ねんせいで7歳さいの磯野いその万葉まはさんは、曾祖父そうそふの吉川よしかわ重久しげひささん（当時とうじ30）が東部とうぶニューギニアで、また、大伯父おおおじの公文くもん良男よしおさん（当時とうじ23）が中国ちゅうごくで戦死せんししています。