4～6月GDP 物価上昇と第7波で消費マインドは…【各地から】 - Easy News

GDPは3期き連続れんぞくのプラスとなりましたが、足あしもとでは物価ぶっかの上昇じょうしょうに加くわえて新型しんがたコロナの感染かんせん第だい7波はで消費しょうひマインドにもかげりが見みえていて先行さきゆきは不透明ふとうめいな状況じょうきょうとなっています。全国ぜんこく各地かくちでの取材しゅざいから、さまざまな工夫くふうで現状げんじょうを打開だかいしようという企業きぎょうの取り組とりくみが見みえてきました。

地域ちいきの祭まつりが相次あいついで中止ちゅうしに…

東京とうきょう八王子はちおうじ市しにあるおもちゃなどを扱あつかう会社かいしゃでは、主おもに祭まつり用ようの商品しょうひんを仕入しいれて露天商ろてんしょうや駄菓子だがし店てんなどに販売はんばいしていますが、感染かんせんの急きゅう拡大かくだいや物価ぶっか高騰こうとうの影響えいきょうに頭あたまを悩なやませています。

この会社かいしゃは、3年ねんぶりに行動こうどう制限せいげんのない夏なつとなったことしは祭まつり用ようの商品しょうひんの需要じゅようが高たかまると期待きたいしていましたが、感染かんせんが急きゅう拡大かくだいしたことで地域ちいきの祭まつりの中止ちゅうしが相次あいつぐ事態じたいとなっています。

このため、売り上うりあげは感染かんせん拡大かくだい前まえの同おなじ時期じきの6割わりから7割わりほどにとどまっているということです。

さらに追い打おいうちをかけているのが仕入しいれている商品しょうひんの値上ねあげです。

原材料げんざいりょう価格かかくの高騰こうとうや円えん安やすなどの影響えいきょうで、仕入しいれ先さきからは連日れんじつのように値上ねあげを知しらせる連絡れんらくがあります。中なかには一気いっきに30％以上いじょう価格かかくが引き上ひきあげられたケースや複数ふくすう回かいにわたって何なん度ども値上ねあげが行おこなわれた商品しょうひんもあるということです。

仕入しいれている商品しょうひんの急激きゅうげきな値上ねあげに対にたいし、この会社かいしゃでは販売はんばい価格かかくへの転嫁てんかが追おいついていないのが現状げんじょうです。販売はんばい価格かかくを引き上ひきあげると買い求かいもとめる人ひとが減へってしまうおそれがあるからです。

そこで、いま力りょくを入いれているのが個人こじん客きゃく向むけのばら売うり販売はんばいです。これまでは個人こじん客きゃく向むけにもまとめ売うりが中心ちゅうしんでしたが、ことしからはばら売うりのコーナーを新あらたに設もうけました。

地域ちいきでの祭まつりの中止ちゅうしが相次あいつぐ中なか、家いえで祭まつりの気分きぶんを楽たのしみたいとする家庭かていから人気にんきだということで、新あらたな需要じゅようを取り込とりこめると期待きたいしています。

「ヤマギシ」の松田まつだ朝子あさこさんは「仕入しいれ先さきからこんなに頻繁ひんぱんに値上ねあがりの連絡れんらくがきたことは過去かこにはなかった。薄利はくり多売たばいの商品しょうひんが多おおく、こちらが値上ねあげするにも限界げんかいがある。コロナも物価ぶっか高だかも早はやくおさまってほしい」と話はなしています。

団体だんたい客きゃくの低迷ていめいが続つづく個人こじん客きゃくや日帰ひがえり客きゃくをターゲットに

長野ながの県けんの温泉おんせん旅館りょかんは、新型しんがたコロナの第だい7波はの影響えいきょうで団体だんたい客きゃくの低迷ていめいが続つづくなか、個人こじん客きゃくや日帰ひがえりの旅行りょこう客きゃくをターゲットにした取り組とりくみを強化きょうかして厳きびしい経営けいえい環境かんきょうに立ち向たちむかっています。

長野ながの県けん千せん曲きょく市しの戸倉とくら上山田かみやまだ温泉おんせんでおよそ50年ねんにわたって営業えいぎょうを続つづけている旅館りょかんでは、新型しんがたコロナの長期ちょうき化かに伴ともなって団体だんたい客きゃくが大幅おおはばに減へり、昨年度さくねんどまで2年ねん連続れんぞくで赤字あかじに陥おちいっています。

ことしはコロナ禍かで初はじめて移動いどう制限せいげんのない夏休なつやすみとなり、団体だんたいの宿泊しゅくはく客きゃくが増ふえると期待きたいしていました。

しかし、感染かんせんの「第だい7波は」の影響えいきょうで7月つきからキャンセルが増ふえ始はじめ、8月つきは予約よやく客きゃくの半数はんすう以上いじょうがキャンセルとなったうえ、電気でんき代だいやガス代だい、それに食材しょくざいの値上ねあがりなども重かさなって経営けいえい環境かんきょうは厳きびしさを増ましています。

旅館りょかんではこのまま団体だんたい客きゃくに頼たよるだけでは経営けいえいが立ち行たちゆかないと考かんがえ、個人こじんや家族かぞく連づれの「日帰ひがえり客きゃく」を取り込とりこもうと、国くにの補助ほじょ金きんを活用かつようして個室こしつの貸し切かしきり風呂ふろを新あらたに設もうけ、人ひととの接触せっしょくを避さけながら源泉げんせんかけ流ながしの温泉おんせんを楽たのしめる環境かんきょうを整ととのえました。

さらに、日帰ひがえりで客室きゃくしつや温泉おんせん、地元じもとの食材しょくざいを使つかった料理りょうりをセットで楽たのしめる夏なつ限定げんていの特別とくべつプランを考案こうあんして旅行りょこう代金だいきんの割り引わりびきなどがある「県民けんみん割わり」が適用てきようされるようにし新あらたな顧客こきゃくの獲得かくとくに取り組とりくんでいます。

大おおきな宴会えんかい場じょうの一部いちぶもレストランに改装かいそうして、バイキング形式けいしきで食事しょくじを提供ていきょうするようにしました。

コロナ禍かで離職りしょくが相次あいついだ影響えいきょうで人手ひとで不足ふそくの状況じょうきょうが続つづいていますがこうした取り組とりくみによって客きゃくの満足まんぞく度どを下さげずに効率こうりつ的てきな運営うんえいができるよう工夫くふうを重かさねています。

「ホテル圓えん山荘さんそう」の竹本たけもと博昭ひろあき社長しゃちょうは「お客様おきゃくさまを増ふやすと言いっても、なかなか難むずかしいが、私わたしたちには温泉おんせんという強つよみがある。新あらたなチャレンジをしながら事業じぎょうを継続けいぞくしていくことがコロナ禍かで助たすけてくれた人ひとたちへの恩返おんがえしだと思おもっている」と話はなしていました。

“爆買かい”需要じゅようからの転換てんかん

高知こうち県けんの不ふ織お布ぬのの加工かこうメーカーは新型しんがたコロナの影響えいきょうで主力しゅりょくの化粧けしょう品ひんの売り上うりあげが落ち込おちこむ中なか、これまで培つちかった技術ぎじゅつを生いかして新あらたな分野ぶんやへの参入さんにゅうを図はかっています。

土佐とさ市しにある不ふ織お布ぬのの加工かこうメーカーは大手おおて化粧けしょう品ひん会社かいしゃから注文ちゅうもんを受うけて化粧けしょう用ようのパックなどを製造せいぞうし、この商品しょうひんが売り上うりあげ全体ぜんたいの6割わり程度ていどを占しめていました。

しかし、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいで外国がいこく人じんが日本にっぽんで大量たいりょうに商品しょうひんを購入こうにゅうするいわゆる“爆買かい”の需要じゅようがなくなり、テレワークの普及ふきゅうで化粧けしょう品ひんの需要じゅようも落ち込おちこんだことから売り上うりあげは、感染かんせん拡大かくだい前まえと比くらべて1割わりほど減少げんしょうしました。

そこで、この会社かいしゃはコロナ禍かで広ひろがるキャンプのブームにいち早いちはやく目めをつけ、不ふ織お布ぬのの技術ぎじゅつを生いかしたアウトドア専用せんようのキッチンペーパーを開発かいはつしました。