救助の警察官 工事現場の男性が行方不明に
NHKが秋田県と山形県の警察などを取材したところ、大雨の影響でこれまでに秋田県で1人、山形県で1人のあわせて2人が亡くなりました。
このうち、秋田市を流れる雄物川の堤防の近くでは25日、86歳の男性が行方不明になり、26日に遺体で見つかりました。警察は大雨で増水した川に転落したとみて当時の詳しい状況を調べています。
また、山形県新庄市の橋の近くでは25日、パトカーで救助に向かっていた警察官2人が流され行方不明となっていて26日、服装などが似ている男性1人が見つかり、死亡が確認されました。
警察は服装などから警察官の1人とみて確認を進めるとともに、27日朝から引き続き捜索を行っています。現場は男性1人が発見された26日の状態と比べると水がひいているように見え、隊員たちは、田んぼに棒を押しあてるなどして捜索を続けています。
このほか、秋田県湯沢市の道路工事の現場で土砂崩れが発生し、作業をしていた60代の男性1人が巻き込まれ、現在も行方がわからなくなっています。
住宅の浸水被害 山形で約750棟 秋田で116棟
記録的な大雨の影響で、山形県と秋田県では浸水の被害を受けた住宅がこれまでに山形県でおよそ750棟、秋田県では116棟となっていて各自治体ではさらに被害が増えるおそれがあるとして確認を進めています。
山形県内の各自治体によりますと、住宅の浸水被害は26日午後5時時点で、遊佐町でおよそ350棟、戸沢村で少なくとも300棟、酒田市で26棟などあわせて16の市町村でおよそ750棟に上っています。
また秋田県では、床上浸水が由利本荘市の29棟など合わせて39棟、床下浸水が横手市の32棟など合わせて77棟と、県内の116棟の住宅で浸水被害が確認されています。
山形県と秋田県の各自治体ではさらに被害が増えるおそれがあるとして確認を進めています。
交通にも大きな影響
記録的な大雨となった秋田県と山形県では、鉄道や道路などの交通にも大きな影響が出ています。
このうち山形県では日本海東北道の秋田側へ向かう下り線1車線が30メートルほどにわたって大きく陥没し、遊佐鳥海インターチェンジから遊佐菅里インターチェンジの間の上下線で通行止めとなっています。
また、JR東日本によりますと、大雨の影響で、山形新幹線は山形駅と新庄駅の間の上下線で運転を見合わせていて27日も、再開のめどは立っていないということです。
また、
▽奥羽本線は、山形県の村山駅と秋田県の湯沢駅の間の上下線、
▽羽越本線は、山形県の酒田駅と秋田県の羽後本荘駅の上下線、
▽陸羽東線は宮城県の鳴子温泉駅と山形県の新庄駅の間の上下線、
▽陸羽西線は新庄駅と酒田駅の上下線で、
運転再開のめどが立っていないということです。
海保のヘリコプターが住民を救助した際の映像
記録的な大雨により広い範囲で浸水被害が出ている山形県戸沢村で、海上保安庁のヘリコプターが住民を救助した際の映像です。
第二管区海上保安本部によりますと、26日午前11時ごろ、戸沢村で、80代の夫婦が取り残されているという情報が寄せられ、ヘリコプターで捜索したところ、夫婦を発見したということです。
映像には土砂で道路がふさがれる中、ヘリコプターから降り立った隊員が夫婦に声をかけながら、田んぼのあぜ道を通って安全な場所まで誘導し、ロープを使ってつり上げる様子が映っています。
夫婦は、ヘリコプターで山形県新庄市に移動しましたが、けがはないとみられるということです。