気象庁きしょうちょう発表はっぴょうの台風たいふう情報じょうほう 見直みなおしに向むけ検討けんとう会かい 専門せんもん家かなどが初はつ会合かいごう

気象庁きしょうちょうで開ひらかれた検討けんとう会かいの初はつ会合かいごうには、台風たいふうの専門せんもん家かやメディアの関係かんけい者しゃなど8人にんの委員いいんらが出席しゅっせきしました。

はじめに海外かいがいの事例じれいとして、半年はんとし前まえからいくつ発生はっせいするか予報よほうを出だしたり、7日にち先さきの発生はっせいを予測よそくしたりする情報じょうほうが紹介しょうかいされました。

また台風たいふうの情報じょうほうに関にかんして、どのようなニーズがあるか気象庁きしょうちょうが事業じぎょう者しゃに行いった調査ちょうさ結果けっかが紹介しょうかいされ、建設けんせつ業界ぎょうかいからは「1か月かげつ以上いじょう前まえから情報じょうほうがあれば作業さぎょう工程こうていを検討けんとうできる」といった意見いけんがあったほか、鉄道てつどう業界ぎょうかいからは「2日にち前まえに計画けいかく運休うんきゅうの可能かのう性せいを公表こうひょうするため、予測よそく精度せいどが落おちると大おおきな影響えいきょうが発生はっせいする」といった声こえが寄よせられたということです。

このあと委員いいんが意見いけんを交かわし

▽台風たいふう10号ごうのように台風たいふうから離はなれた地域ちいきでも大雨おおあめとなったことを踏ふまえ、どのような被害ひがいが起おきるおそれがあるか詳くわしく伝つたえることが必要ひつようだとか

▽1か月かげつ前まえから情報じょうほうがあれば、旅行りょこうなどのスケジュールを立たてる際さいに役立やくだち、計画けいかく運休うんきゅうの影響えいきょうが少すくなくなるのではないかといった意見いけんが出でていました。

検討けんとう会かいは今後こんご、早はやめの備そなえを促うながしたり台風たいふうの特徴とくちょうを細こまかく伝つたえたりするなど、社会しゃかいのニーズに応おうじた情報じょうほうについて議論ぎろんを重かさね、来年らいねんの6月つきごろをめどに最終さいしゅう案あんをとりまとめることにしています。

検討けんとう会かいの座長ざちょうで横浜よこはま国立こくりつ大学だいがく 台風たいふう科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅうセンターの筆ふで保弘やすひろ徳とくセンター長ちょうは「台風たいふうに備そなえるために、余裕よゆうがある時間じかんからどれだけの情報じょうほうをわかりやすく伝つたえることができるのか、今後こんご検討けんとうしていきたい」と話はなしていました。

台風たいふうの予報よほうの変遷へんせんと課題かだい

台風たいふうの進路しんろ予想よそう図ずは当初とうしょは扇おうぎの形かたちをしていて、方向ほうこうだけを表示ひょうじしていました。

予報よほう円えんが導入どうにゅうされたのは1982年ねんで、方向ほうこうに加くわえて速はやさも表示ひょうじされるようになりました。

その後そのごも見直みなおしが進すすめられ、1986年ねんに予報よほう円えんに暴風ぼうふう警戒けいかい域いきが加くわわり、2007年ねんからは暴風ぼうふう警戒けいかい域いきの全体ぜんたいを囲かこむ現在げんざいの表示ひょうじになりました。

また予報よほうの期間きかんは、当初とうしょの「24時間じかん先さき」から順次じゅんじ延長えんちょうされたほか、24時間じかん以内いないに台風たいふうに変かわる見込みこみとなった場合ばあいは、熱帯ねったい低てい気圧きあつの段階だんかいから進路しんろなどの予報よほうを発表はっぴょうするようになりました。

その結果けっか、現在げんざいの運用うんようでは、

▽中心ちゅうしんの位置いちや強つよさ、それに5日にち先さきまでの進路しんろを予報よほう円えんで表示ひょうじした図ずのほか、

▽暴風ぼうふう域いきに入はいる確率かくりつを地図ちずや地域ちいきごとにグラフで示しめした情報じょうほう、

▽雨あめや風かぜなど防災ぼうさい上じょう留意りゅういが必要ひつような内容ないようをまとめた気象きしょう情報じょうほうが発表はっぴょうされます。

気象庁きしょうちょうによりますと、予報よほうの精度せいどのうち進路しんろは長期ちょうき的てきにみて向上こうじょうしたということです。

一方いっぽう、台風たいふうの強度きょうどは進路しんろと比くらべて明確めいかくな精度せいどの向上こうじょうは見みられなかったものの、近年きんねんは向上こうじょうしつつあるとしています。