大阪おおさか めっちゃふぐ食たべるやん 全国ぜんこくの6割わり？なんでなん？

「やっぱり冬ふゆと言いったら鍋なべ！鍋なべと言いったらふぐ！そう決きまっている！」

（60代だい男性だんせい）

「いろいろな食たべ方かたがあるからですね。最近さいきんは焼やくのにハマはまってます」

それぞれ好このみの食たべ方かたもあるようで、ふぐへの愛あいがひしひしと伝つたわってきました。店みせも、忘年ぼうねん会かい需要じゅようにほくほく顔かおです。

「この時期じきは平日へいじつ、朝あさから晩ばんまで常つねに満席まんせきの状態じょうたいです」

大阪おおさか湾わんで取とれていたこともあり、昔むかしから親したしまれていたふぐ。

ただ、大阪おおさかにゆかりの豊臣とよとみ秀吉ひでよしの時代じだいになると、ふぐを食たべて中毒ちゅうどく死しする者ものが相次あいついだことから「ふぐ食しょく禁止きんし令れい」が出だされる事態じたいに。

大阪おおさかなどでは、ふぐ鍋なべのことを「てっちり」、ふぐの刺身さしみのことを「てっさ」といいます。

大田おおたさんによると当時とうじ、ふぐを食たべると鉄砲てっぽうに撃うたれたように死しんでしまうこともあったことから「鉄砲てっぽう」はふぐを指さすようになりました。

てっちりは、鉄砲てっぽう（「てっ」ぽう）と、ちり鍋ちりなべの「ちり」

これについて大田おおたさんは、大阪おおさか人じんの気質きしつが関係かんけいしていると指摘してきします。

大阪おおさかの人々ひとびとの「ふぐ欲よく」は、府ふ外がいからの「輸入ゆにゅう」で満みたされるようになり、現在げんざいに至いたっています。

実情じつじょうを取材しゅざいしようと、大阪おおさか市し中央ちゅうおう卸売おろしうり市場しじょうに足あしを運はこびました。

全国ぜんこくからふぐが集あつまる、この市場しじょう。

卸売おろしうり会社かいしゃによると、ここへやってくるふぐにも異変いへんがおきていると言いいます。

「天然てんねん物ぶつが減へってきています。下関しものせき産さんはあまり見みかけなくなり、その代かわり、最近さいきんは福島ふくしま産さんが目立めだつようになりました」

「トラフグは17度どが活発かっぱつに活動かつどうできる水域すいいきですが、その海域かいいきが北上ほくじょうしてきていると言いえます」

トラフグはもともと西日本にしにほんや中部ちゅうぶの暖あたたかい海域かいいきに生息せいそくしていました。

しかし、地球ちきゅう温暖おんだん化かの影響えいきょうで海水温かいすいおんが上昇じょうしょう。

ふぐは適てきした水温すいおんを求もとめて、生息せいそく域いきが東北とうほく地方ちほうなどに北上ほくじょうしてきているのです。

先さきほど紹介しょうかいしましたが、瀬戸せと内海うちうみでの2021年ねんシーズンでの漁獲ぎょかく量りょうが36トンです。

相馬そうま双葉ふたば漁協ぎょきょうの水揚みずあげ量りょうが相当そうとう多おおいことが分わかります。

ふぐは種類しゅるいによって毒どくのある部位ぶいが違ちがうため、種類しゅるいを見極みきわめて調理ちょうりする必要ひつようがありますが、一部いちぶの種たねでは生息せいそく域いきが変かわったため、他たの種たねとの交雑こうざつが進すすんでいます。雑種ざっしゅは毒どくの部分ぶぶんが分わからず、調理ちょうりできないのです。

（水産すいさん大だい学校がっこう 高橋たかはし洋ひろし 准じゅん教授きょうじゅ）

「ふぐの毒どくは処理しょりされる人ひとがきちっと種たねを判別はんべつすることで、的確てきかくに除去じょきょすることができています。しかし、雑種ざっしゅというのは、毒どくがどこにあるかはっきりしていないので、流通りゅうつうさせることができず、捨すてるしかありません。漁業ぎょぎょう者しゃさんにとってはすごく困こまったことになっています」

地球ちきゅう温暖おんだん化かなどの影響えいきょうを受うけつつも、大阪おおさかのふぐへの愛あいは止とまりそうにありません。