大都市を
直撃したM7.3の
直下型地震。
大阪と神戸を結ぶ、阪神間の交通は寸断されました。
主要な鉄道の復旧には2か月から半年かかりました。
道路が崩落した阪神高速の全線復旧は1年半以上。
震災は、都市交通のもろさを突きつけました。
このときに重要性が再認識された交通が船だったのです。
支援物資の一部は船によって運ばれました。
渋滞せずにスイスイ
淀川でも
実はこのとき
舟運が
活躍しました。
震災では、淀川の河口近くの堤防が崩れました。
1月の震災後、氾濫や洪水のおそれがある梅雨の時期までに何としても復旧工事を終えなくてはなりません。
崩れたのは、淀川大堰よりも海側で船の往来ができる場所でした。
そこで、補修工事の資材を現場まで船で運んだのです。
道路渋滞に
悩まされることはなく、
工事はスムーズに
進み、
堤防はわずか
半年で
仮復旧までこぎつけました。
これをきっかけに、流域では「淀川舟運」復活を求める声が上がるようになりました。
災害時の支援に当たる人たちや帰宅困難者の輸送にも役立つとも考えられました。
舟運復活へ進むきっかけは?
しかし、
船の
往来に
必要な、
淀川大堰に
閘門を
造る工事には
巨額の
費用が。
震災から20年以上たっても、「淀川舟運」が実現することはありませんでした。
川沿いの自治体の担当者も「実現するとは思っていなかった」と振り返ります。
事態が一気に動いたのが2025年の大阪・関西万博の開催決定でした。
万博で
世界が
関西に
注目するなか、「
淀川舟運」
復活は「
水の
都・
大阪」の
魅力を
広く
発信できる絶好の
機会に
なると
考えられたのです。
これまでの防災だけでなく観光への期待も加わったことで事業は一気に動きだしました。
万博期間中、会場の大阪・夢洲まで淀川から来場者を運ぶ計画が持ち上がり、本格的な工事が始まりました。
船の行方を阻むやっかいもの
ただ、
京都と
大阪を
観光船で
結ぶことになった
場合、
関係者を
悩ませている
壁があります。
淀川舟運が栄えた江戸時代、大阪と伏見の間の港として栄えた大阪 枚方市。
橋の上から撮影したこの写真、何かわかりますか?
上流から
流れてきた
土砂がたまっている「
砂州」です。
水面に現れるほどのものがいくつも見えます。
このあたりでは
川の
深さが、わずか70
センチ以下という
場所も。
「川の浅さ」が問題になっています。
枚方からさらに上流の京都に向けて観光船を航行させるには、この土砂を取り除かなくてはなりません。
船が行き来できる水深を確保するには、絶えず流れ込む土砂を定期的に取り除いたり、川の流れを速めて土砂をたまりにくくする大規模な川の改修をしたりする必要があります。さらに予算がかかるのです。
(
近畿地方整備局淀川河川事務所・
林貴宏総括地域防災調整官)
「やらなければならない課題が目の前に山積みになっている状態です。閘門を整備して終わりではありません。まずは万博開催までに京都 伏見と大阪湾までを結ぶ淀川舟運を復活させたいと考えています」
素通りされないために
「くらわんか」の
街としても
知られる
枚方市。
語源は、舟が通り過ぎないように「くらわんか」(=「食らえ」)と荒々しい言葉を掛けながら、舟の乗客に餅や酒を売ったことに由来します。
令和の時代になっても淀川舟運復活への期待は高まっています。
(
枚方市観光交流課 生地進歩係長)
「大阪と京都の間で、素通りされないように、江戸時代のように“くらわんか”という気持ちで呼びかけて、多くの人が枚方を訪れるきっかけをつくっていきたい」
震災と万博がつなぐ水都の未来
様々な
人の
思いを
乗せて
復活を
遂げようとしている
舟運。
調べてみると、観光だけでなく防災面でも期待されていることが分かりました。ただ、計画通りに進むのか課題も見えてきました。
阪神・淡路大震災から28年。
大阪で生まれ育った私も震災の記憶はありません。
当時、多くの市民が苦労しながら通勤・通学した記憶も風化しつつあるのではないでしょうか。
震災と万博。
関西にとって過去と未来の2つの大きな出来事をつなぐ舟運が、関西観光の起爆剤になるだけでなく、災害から命や暮らしを守る存在になるか、今後も注視していきたいと思います。
小林製薬「紅麹」問題 製品摂取後の死亡判明は4人に 影響拡大
「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、新たに2人が亡くなっていたことがわかったと会社が発表しました。いずれも遺族から「紅麹コレステヘルプ」を摂取し腎臓の病気が疑われる症状があったと連絡があったということで会社は「原因となった疑いがある」として詳しい調査を進めています。この問題で、複数の入院患者を診察した大学病院の医師が、NHKの単独インタビューに応じました。医師によりますと問題が明らかになる前の去年11月から先月にかけて、70代女性1人と50代の女性2人が、尿が泡立つなどの症状が出たり健康診断で腎機能の異常が指摘されたりしたためこの病院を受診したということです。3人はいずれも腎臓の病気も含めて持病はありませんでしたが、腎機能が低下していたということです。※記事では診察にあたった医師のインタビューのほか「回収対象」となっている製品の一覧表をまとめています。
Source: NHK
Mar 28, 2024 15:03
太陽光発電施設での爆発は蓄電設備 安全確認されしだい検証へ
27日夜、鹿児島県伊佐市の太陽光発電施設の建物から火が出て消火にあたっていた隊員4人がけがをしました。消防によりますと、爆発した建物は蓄電設備で、放水によって感電などのおそれがあることから、消防や警察は発電施設の電源を遮断し、安全が確認されしだい鎮火の確認や検証にあたることにしています。
Source: NHK
Mar 28, 2024 04:03
“イヤホン装着 列車接近気付かなかったか” 佐賀踏切死亡事故
去年7月、佐賀県小城市の遮断機のない踏切でランニングをしていたとみられる男性が列車にはねられて死亡する事故があり、国の運輸安全委員会は男性がイヤホンを装着していて列車の接近に気付かなかった可能性があるとする調査報告書を公表しました。
Source: NHK
Mar 28, 2024 04:03
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Source: NHK
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マダニ媒介の感染症 SFTSは過去最多 人から人も?【徹底解説】
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Source: NHK
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Source: NHK
Mar 27, 2024 09:03
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ロシアの首都モスクワの郊外で起きたテロ事件について、プーチン大統領に続き側近たちもウクライナ側の関与が疑われると相次いで発言しました。プーチン政権はウクライナ侵攻を正当化するためにもこうした主張を一段と強めている可能性もあり、ウクライナ側は関与を否定するとともに反発しています。
Source: NHK
Mar 27, 2024 00:03
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