被害にあわないために
大阪の一般社団法人 痴漢抑止活動センターの代表理事松永弥生さんに、電車で試験場に向かう際のポイントを聞きました。
電車に乗って試験場に向かう時は、どのような点に気をつければよいでしょうか。 A. まず、できる対策として、 ▽友だちや親などと一緒に乗る、 ▽受験生と気付かれないよう私服で行く、 それから ▽「女性専用車両」を選ぶことを心がけてほしいと思います。 女性専用車両は、エリアによっては導入されていなかったり平日のみの運行のところも多いので、できれば事前に下見をしておくのが良いと思います。 また、犯人が人混みに紛れて逃げやすい改札近くの車両に乗るのは避け、あえて離れた“不便な車両”を選ぶのも有効な手段です。
電車に乗った後にも工夫できることはありますか。 A. もちろんあります。 特に、工夫してほしいのは「電車内の立ち位置」です。 死角になりやすく逃げ道のないドア付近や連結部分は避け、人目につきやすい座席エリアの近くを選択したほうがよいと思います。
痴漢は手口が巧妙とも聞きます。見分ける方法はありますか。 A. たしかに、中には揺れに合わせて身体を密着させたり、手を押しあてたりするような行為も多く、判断がつきづらいかもしれません。 ただし、3回手があたったら、“故意”だと思って、早めに対処することが大切です。 Q. 実際に、被害にあってしまった時はどうすればいいのでしょうか。 A. おびえて動かなくなると行為がエスカレートするため、 ▽声を出したり手で振り払う、 ▽難しい場合はかばんで防ぐ、 ▽その場でしゃがみ込むなどが対策としては有効です。 また、かばんを手から落として、大きな音を立てるだけでも行為がやむ可能性があります。
「やめて」という意思を伝えることが大切なんですね。 そうしたメッセージを日頃から伝える手段はありますか。 A. 痴漢抑止活動センターでは、独自に「痴漢抑止バッジ」を制作して、無料で配布しています。 インターネット上で申し込むと、2次試験までには手元に届くと思います。 これからの受験シーズン、かばんなどにつけてください。 Q. 最後に受験生や周りの大人にできることがあれば、教えてください。 A. 残念ながら、絶対に被害にあわない保証はどこにもありません。 もし、被害にあった際には、試験の後で時間がたっていても、警察に相談してください。 そして、周りの大人たちも試験当日はスマートフォンから顔を上げて、監視の目を光らせるとともに受験生のみなさんを温かく見守ってあげてほしいと思います。