「投票したくてもできない」投票の障害者対応に課題 NHK調査 - Easy News

まもなく統一とういつ地方ちほう選挙せんきょが始はじまりますが、投票とうひょう所しょに行いって一いち票ひょうを投とうじることが難むずかしい人ひとたちがいること、知しっていますか？

見みえない

聞きこえない

歩あるけない

書かけない

選挙せんきょの話はなしが難むずかしすぎる

そもそも投票とうひょう所しょに行いけない…

そんな声こえを受うけてNHKが行おこなったアンケート調査ちょうさで、誰だれもが投票とうひょうしやすい環境かんきょうが十分じゅうぶんに整備せいびされているとは言いえない現状げんじょうが浮き彫うきぼりになりました。

寄よせられた300の声こえ

NHKの特設とくせつサイト「みんなの選挙せんきょ」に寄よせられた、投票とうひょうにおける困難こんなんについて当事者とうじしゃや家族かぞくからのおよそ300件けんの声こえ。その一部いちぶです。

「家族かぞくに投票とうひょうしたくてもできない状態じょうたいの者ものがいます。エレベーターの無ない集合しゅうごう住宅じゅうたくに住すむ要よう介護かいご4の自宅じたく療養りょうよう者しゃです。介護かいごタクシーを頼たのむか知り合しりあいに助たすけてもらわないと投票とうひょう所しょへ行いけないのです」

「難病なんびょう患者かんじゃで、腕うでと足あしに力ちからが入いれにくく運動うんどう機能きのうの障害しょうがいがあります。腕うでに力ちからが入はいりにくいことで筆記ひっきが困難こんなんとなっており、投票とうひょう所しょの記載きさい台だいのような不安定ふあんていな机つくえでは字じが書かきづらいです」

「ほとんど聞きこえない中途ちゅうと失しつ聴・難聴なんちょう者しゃです。選挙せんきょでこちらはアレに、あれはこっちにと指定していされていると言葉ことばは聞き取ききとれず、間違まちがうこともあります。訂正ていせい、案内あんないしてくださる人ひともありますが、後うしろに人ひとがいたり衆人しゅうじんの目めがあると、自分じぶんが恥はじをかかされたように感かんじて、憂ゆううつになったりもします」

こうした声こえを受うけて、NHKは今年ことし1月つき、全国ぜんこくすべての市区しく町村ちょうそんにある選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいの事務じむ局きょくを対象たいしょうにアンケート調査ちょうさを行おこないました。障害しょうがいのある人ひとの投票とうひょうについて、どのような対応たいおうをとってきたかを尋たずね、全体ぜんたいの95％にあたる1648の事務じむ局きょくから回答かいとうを得えました。

みんなの選挙せんきょ

全国ぜんこくの選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいへのアンケート結果けっかや寄よせられたご意見いけん、当事者とうじしゃに役立やくだつ情報じょうほうなどをこちらにまとめています。

「障害しょうがい者しゃ対応たいおうのマニュアル作成さくせい」は18％

それによりますと、障害しょうがいのある人ひとへの対応たいおうマニュアルをすでに作成さくせいしているが18％、今後こんご作成さくせいする具体ぐたい的てきな予定よていがあるが4％、予定よていはないは78％でした。

「説明せつめい会かいや研修けんしゅうの実施じっし」は30％

また、障害しょうがいのある人ひとへの対応たいおうについて説明せつめい会かいや研修けんしゅうを実施じっししているかについては、すでに行いっているが30％、今後こんご行おこなう具体ぐたい的てきな予定よていがあるが3％、行おこなう予定よていはないは66％でした。

「入場にゅうじょう整理せいり券けんに点字てんじや音声おんせいコード」は12％

その上うえで視覚しかく障害しょうがいのある人ひとに向むけた支援しえん策さくとして、投票とうひょう所しょの場所ばしょや投票とうひょう日びを知しらせる入場にゅうじょう整理せいり券けんに点字てんじや音声おんせいコードを付つけているかどうかについては、すでに行いっているが12％、今後こんご行おこなう具体ぐたい的てきな予定よていがあるが1％、行おこなう予定よていはないは86％でした。

「コミュニケーションボードを用意ようい」は23％

さらに、聴覚ちょうかく障害しょうがいのある人ひとなどが、文字もじやイラストを指ゆびなどで指し示さししめしてどういった支援しえんが必要ひつようかを伝つたえる「コミュニケーションボード」を投票とうひょう所しょに用意よういしているかどうかについては、すでに行いっているが23％、今後こんご行おこなう具体ぐたい的てきな予定よていがあるが4％、行おこなう予定よていはないは73％でした。

みんなの選挙せんきょコミュニケーションボード

障害しょうがいのある人ひとが投票とうひょうで困こまったときに使つかっていただけるように「コミュニケーションボード」を作つくりました。こちらからダウンロードできます。

どういう境遇きょうぐう、障害しょうがいがあろうと

40年ねん以上いじょう自治体じちたいの選挙せんきょの現場げんばに関かかわってきた選挙せんきょ管理かんりアドバイザーの小島こじま勇人はやとさんは「これまで投票とうひょう所しょの多おおくは障害しょうがいのない人ひとをベースにして考かんがえられてきた。しかし、選挙せんきょ権けん行使こうしは万まん人にんに認みとめられた権利けんりで、どういう境遇きょうぐう、障害しょうがいがあろうと一いち票ひょうを行使こうしする権利けんりがあり、投票とうひょう弱じゃく者しゃと言いわれる方々かたがたが投票とうひょうしやすくなるユニバーサルな環境かんきょうをつくることが必要ひつようだ。障害しょうがいのある人ひとだけでなく、高齢こうれい化か社会しゃかいの中なかで投票とうひょうに困難こんなんを感かんじる人ひとたちにどういう特質とくしつがあるか理解りかいして対応たいおうしなければならない」と話はなしています。

当事者とうじしゃの声こえを聞きいて

日本にっぽん障害しょうがい者しゃ協議きょうぎ会かいの藤井ふじい克徳かつのり代表だいひょうは、今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかについて、「これまで障害しょうがいのある人ひとたちが投票とうひょうすることが少すくなかったことを前提ぜんていに選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいや行政ぎょうせいが仕組しくみを作つくってきたことのあらわれだと思おもう。障害しょうがい者しゃの問題もんだいには絶たえず諦あきらめということばが前提ぜんていだったが、さまざまな支援しえんが発展はってんしているなかで参政さんせい権けんが特とくに取り残とりのこされている感かんじがしていた。障害しょうがい者しゃの投票とうひょうが増ふえると地域ちいきでも国くに全体ぜんたいでも障害しょうがい者しゃへの政策せいさくが進すすむきっかけになると思おもう。今後こんごの投票とうひょう環境かんきょうの改善かいぜんに向むけてはぜひ当事者とうじしゃの声こえを聞ききながら進すすめてほしい」と話はなしています。

障害しょうがいのある人ひとの投票とうひょう環境かんきょうをめぐっては、障害しょうがい者しゃ団体だんたいなどでつくるNPO法人ほうじん日本にっぽん障害しょうがい者しゃ協議きょうぎ会かいが去年きょねん5月つき、投票とうひょう環境かんきょうの改善かいぜんを求もとめる要請ようせい書しょを総務そうむ大臣だいじんあてに提出ていしゅつしています。

今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかからも、投票とうひょう所しょなどでの支援しえんが十分じゅうぶんとは言いえない現状げんじょうが浮き彫うきぼりになっていて、統一とういつ地方ちほう選挙せんきょでも誰だれもが投票とうひょうしやすい環境かんきょうをどう整備せいびするかは課題かだいになっています。