熊本阿蘇山で噴火発生気象庁噴火警戒レベル3に引き上げ - Easy News

熊本くまもと県けんの阿蘇あそ山さんの中岳なかだけ第だい一いち火口かこうで、20日にち午前ごぜん11時じ43分ふん、噴火ふんかが発生はっせいし、噴煙ふんえんが3500メートルの高たかさまで上あがり、火砕流かさいりゅうが火口かこうから1キロ以上いじょうの場所ばしょに達たっしたのが確認かくにんされました。

気象庁きしょうちょうは阿蘇山あそさんに火口かこう周辺しゅうへん警報けいほうを発表はっぴょうして噴火ふんか警戒けいかいレベルを3に引き上ひきあげ、火口かこうからおおむね2キロの範囲はんいで大おおきな噴石せきや火砕流かさいりゅうに警戒けいかいするよう呼よびかけています。

気象庁きしょうちょうの観測かんそくによりますと、20日にち午前ごぜん11時じ43分ふんに熊本くまもと県けんの阿蘇あそ山さんの中岳なかだけ第だい一いち火口かこうで噴火ふんかが発生はっせいし、噴火ふんか速報そくほうを発表はっぴょうしました。

この噴火ふんかで、

▽噴煙ふんえんが火口かこうから3500メートルの高たかさに達たっしたほか、

▽火砕流かさいりゅうが火口かこうから西にし1300メートルの場所ばしょまで流ながれ下くだり、

▽大おおきな噴石せきが火口かこうから南みなみ900メートルまで達たっしたのが確認かくにんされました。

また、午後ごご0時じ44分ふんにも噴火ふんかが発生はっせいし噴煙ふんえんが火口かこうから1600メートルの高たかさに達たっしました。

気象庁きしょうちょうは、火山かざん活動かつどうが高たかまっているとして、20日にち午前ごぜん火口かこう周辺しゅうへん警報けいほうを発表はっぴょうし、噴火ふんか警戒けいかいレベルを「入山いりやま規制きせい」を示しめす3に引き上ひきあげました。

火口かこうからおおむね2キロの範囲はんいで大おおきな噴石せきや火砕流かさいりゅうに警戒けいかいするよう呼よびかけています。

入山いりやま規制きせいなどの警戒けいかいが必要ひつようなのは熊本くまもと県けん阿蘇あそ市しと南みなみ阿蘇あそ村むら、それに高森たかもり町まちです。

また、風下かざしも側がわでは火山灰かざんばいだけでは無なく小ちいさな噴石せきが遠とおくまで流ながされて降ふるおそれがあるほか、火山かざんガスにも注意ちゅういするよう呼よびかけています。

地元じもとの自治体じちたいなどの指示しじに従にしたがって危険きけんな地域ちいきには立ち入たちいらないようにしてください。

阿蘇山あそさんでは、今月こんげつ13日にちに地下ちかの熱ねつ水すいやマグマの動うごきを示しめすとされる火山かざん性せい微動びどうの振幅しんぷくが大おおきくなり、14日にちには大おおきな噴石せきを伴ともなう噴火ふんかが発生はっせいするなど火山かざん活動かつどうが高たかまっていました。

気象庁きしょうちょう「噴石せきや火砕流かさいりゅうなどに警戒けいかいを」

阿蘇山あそさんで噴火ふんかが発生はっせいしたことについて、気象庁きしょうちょうの尾崎おざき友とも亮あきら火山かざん監視かんし課長かちょうは20日にち午後ごご1時じから記者きしゃ会見かいけんを開ひらき「噴火ふんかに伴ともなって、火砕流かさいりゅうが火口かこうから1キロ以上いじょうに達たっした。中岳なかだけ第だい一いち火口かこうからおおむね2キロの範囲はんいでは噴火ふんかに伴ともない弾道だんどうを描えがいて飛散ひさんする大おおきな噴石せきや火砕流かさいりゅうに警戒けいかいしてほしい。また、風下かざしも側がわでは火山灰かざんばいだけでなく小ちいさな噴石せきが遠とおくまで風かぜに流ながされて降ふるおそれがあるほか、火山かざんガスにも注意ちゅういが必要ひつようだ。地元じもと自治体じちたいなどの指示しじに従にしたがって危険きけんな地域ちいきには立ち入たちいらないでほしい」と警戒けいかいを呼よびかけました。

火山灰かざんばいの注意ちゅうい点てん

噴火ふんかに伴ともなって、場所ばしょによっては広ひろい範囲はんいで火山灰かざんばいが降ふるおそれがあります。

積つもる量りょうがわずかでも、社会しゃかい生活せいかつに深刻しんこくな影響えいきょうが出でるおそれがあります。

火山灰かざんばいが降ふる量りょうが多おおい場合ばあい、近ちかくの頑丈がんじょうな建物たてものに移動いどうするようにしてください。

気象庁きしょうちょうによりますと、積つもった火山灰かざんばいの厚あつさが0.1ミリ以上いじょう1ミリ未満みまんの場合ばあいには、ぜんそくなど呼吸こきゅう器きに疾患しっかんのある人ひとは症状しょうじょうが悪化あっかするおそれがあります。

また、

▽道路どうろの白線はくせんが見みえにくくなり車しゃは徐行じょこう運転うんてんが必要ひつようになり、

▽航空こうくう機きや鉄道てつどうは運転うんてんできなくなる可能かのう性せいもあります。

さらに、

1ミリ以上いじょう積つもるような場合ばあいは、健康けんこうな人ひとでも目めや鼻はな、のどなどの呼吸こきゅう器きに

異常いじょうを訴うったえる人ひとが出で始はじめます。

また、

▽降ふってくる火山灰かざんばいや、積つもった火山灰かざんばいが巻き上まきあげられ視界しかいが悪わるくなるため、通行つうこう規制きせいや速度そくど制限せいげんが発生はっせいするおそれがあるほか、

▽送電そうでん施設しせつに付着ふちゃくして停電ていでんが発生はっせいしたり、

▽浄水じょうすい場じょうで水みずが浄化じょうかできなくなり給水きゅうすいが停止ていしするなどライフラインにも影響えいきょうが出でるおそれがあります。

阿蘇山あそさんとは

熊本くまもと県けんの阿蘇山あそさんは複数ふくすうの山やまからなる活火山かっかざんで、記録きろくが残のこる噴火ふんかの大だい部分ぶぶんが中岳なかだけで発生はっせいしています。

近年きんねんも噴火ふんかを繰り返くりかえしていて、平成へいせい26年ねんには、中岳なかだけ第だい一いち火口かこうで一定いっていの時間じかんで溶岩ようがんを噴き上ふきあげる噴火ふんかを繰り返くりかえす「ストロンボリ式しき」と呼よばれるタイプの噴火ふんかが確認かくにんされました。

また、平成へいせい27年ねん9月つきの噴火ふんかでは、噴煙ふんえんが火口かこうから2000メートルまで上あがり、小規模しょうきぼな火砕流かさいりゅうや火口かこう周辺しゅうへんで大おおきな噴石せきが飛とんだのが確認かくにんされました。

さらに平成へいせい28年ねん10月つき8日にちには、噴煙ふんえんの高たかさが衛星えいせいによる観測かんそくで海抜かいばつ1万まん1000メートルに達たっし噴火ふんか警戒けいかいレベルが入山いりやま規制きせいを示しめす「3」に引き上ひきあげられました。

その後そのご、火山かざん活動かつどうはときおり高たかまり、噴火ふんか警戒けいかいレベルは1や2を繰り返くりかえしていました。

今月こんげつ13日にちには、地下ちかの熱ねつ水すいやマグマの動うごきを示しめすとされる火山かざん性せい微動びどうの振幅しんぷくが大おおきくなり、気象庁きしょうちょうは噴火ふんか警戒けいかいレベルを「2」に引き上ひきあげていました。

阿蘇山あそさん過去かこの噴火ふんか活動かつどう過去かこには噴石せきで死者ししゃも

過去かこの阿蘇あそ山さんの噴火ふんかでは、噴石せきによって死者ししゃも出でています。

昭和しょうわ28年ねんに起おきた噴火ふんかでは、大おおきな噴石せきが数すう百ひゃくメートルの範囲はんいに飛とんで火口かこう近ちかくにいた観光かんこう客きゃく6人にんが死亡しぼう、90人にん余あまりがけがをしました。

また、昭和しょうわ33年ねんの噴火ふんかでも噴石せきが火口かこうから1キロあまり飛とんで、12人にんが死亡しぼうしたほか、昭和しょうわ54年ねん9月つきには爆発ばくはつ的てきな噴火ふんかが発生はっせいして火口かこうの北東ほくとう側がわに多量たりょうの噴石せきが飛とび3人にんが死亡しぼうしました。

平成へいせい元年がんねんからは多量たりょうの火山灰かざんばいや噴石せきを伴ともなう活発かっぱつな噴火ふんか活動かつどうが1年ねんあまりにわたって続つづきました。

火口かこうから1キロの所ところにいた専門せんもん家か「噴石せき飛とんでいる様子ようす見みえた」

噴火ふんかした際さい、火口かこうから1キロほどの場所ばしょにある観測かんそく所しょにいた京都大きょうとだい学がく火山かざん研究けんきゅうセンターの大倉おおくら敬たかし宏ひろし教授きょうじゅは「噴石せきが飛とんでいる様子ようすが目視もくしでも確認かくにんできた。火砕流かさいりゅうも発生はっせいしているとみられるが、火砕流かさいりゅうの規模きぼとしては活動かつどうが活発かっぱつだった2015年ねん9月つきの噴火ふんかの時ときよりは小ちいさいように見みえる。噴煙ふんえんが黒くろっぽい土砂どしゃ混まじりのように見みえ、水蒸気すいじょうきを多おおく含ふくんでいるとみられる。今いまのところ目視もくしではマグマを確認かくにんできないが実際じっさいどうなっているのか、詳くわしく確認かくにんする必要ひつようがある」と話はなしていました。

専門せんもん家か「今後こんごも今回こんかいのような爆発ばくはつ的てき噴火ふんかが起おきる可能かのう性せい」

火山かざん活動かつどうのメカニズムに詳くわしい東京とうきょう大学だいがくの藤井ふじい敏嗣としつぐ名誉めいよ教授きょうじゅは「映像えいぞうからは火砕流かさいりゅうが流ながれ下くだっているのが確認かくにんでき、火口かこうの近ちかくには大おおきな噴石せきも飛とんでいるように見みえる。高温こうおんのマグマが火口かこう内ないの水分すいぶんに触ふれて発生はっせいした『マグマ水蒸気すいじょうき爆発ばくはつ』の可能かのう性せいがあり、今月こんげつ14日にちの噴火ふんかよりは規模きぼが大おおきい。現在げんざいは噴煙ふんえんは白しろっぽく、水蒸気すいじょうきを吹き上ふきあげているかたちだが時間じかんを置おいてマグマが上あがって来くれば、再ふたたび、今回こんかいのような爆発ばくはつ的てきな噴火ふんかが起おきる可能かのう性せいがあり、注意ちゅういが必要ひつようだ。まずは山やまに近寄ちかよらないことが大切たいせつだ」と話はなしています。