大会たいかいをめぐっては、オミクロン株かぶの影響えいきょうで日本にっぽん政府せいふが外国がいこく人じんの新規しんき入国にゅうこくを原則げんそく停止ていしするなど水際みずぎわ対策たいさくを強化きょうかしたため、海外かいがい選手せんしゅの受け入うけいれなどについて日本にっぽんスケート連盟れんめいやスポーツ庁ちょうなど関係かんけい機関きかんで対応たいおうを協議きょうぎしてきました。

その結果けっか、日本にっぽんスケート連盟れんめいは今月こんげつ9日にちから12日にちの日程にっていで行おこなわれる予定よていだったフィギュアスケートのグランプリファイナルを中止ちゅうしすると発表はっぴょうしました。

グランプリファイナルはグランプリシリーズの成績せいせき上位じょういの選手せんしゅが出場しゅつじょうする国際こくさい大会たいかいで、来年らいねんの北京ぺきんオリンピックの日本にっぽん代表だいひょうの選考せんこうなどにも関かかわる大会たいかいです。

去年きょねんの大会たいかいは新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで中止ちゅうしとなり、ことしは2年ねんぶりに大阪おおさか府ふ門真かどま市しで男子だんしシングルに世界せかい選手権せんしゅけん3連覇れんぱ中ちゅうのアメリカのネイサン・チェン選手せんしゅ、女子じょしシングルに今こんシーズン世界せかい最高さいこう得点とくてんをマークしたロシアのカミラ・ワリエワ選手せんしゅなど海外かいがいのトップ選手せんしゅが参加さんかして開催かいさいされる予定よていでした。

国土こくど交通こうつう省しょうは、オミクロン株かぶの感染かんせん拡大かくだいに対にたいする水際みずぎわ対策たいさくを強化きょうかするとして、航空こうくう各社かくしゃに対にたいし今月こんげつ末まつまでの1か月かげつ間かん、日本にっぽんに到着とうちゃくするすべての国際線こくさいせんの新あらたな予約よやくを停止ていしするよう先月せんげつ29日にちに要請ようせいしました。

新規しんき予約よやくの停止ていし要請ようせいの対象たいしょうには海外かいがいにいる日本人にっぽんじんも含ふくまれ、予約よやくを取とっていない日本人にっぽんじんが事実じじつ上じょう、帰国きこくできなくなることについて国土こくど交通こうつう省しょうは「緊急きんきゅう避難ひなん的てきな予防よぼう措置そちだ」と説明せつめいしていましたが、航空こうくう会社かいしゃの関係かんけい者しゃからは「対応たいおうが厳きびしすぎる」と反発はんぱつの声こえが上あがっていたほか、海外かいがいからの帰国きこくを予定よていしていた日本人にっぽんじんなどの間まで困惑こんわくが広ひろがっていました。

国土こくど交通こうつう省しょうは、今後こんご、航空こうくう各社かくしゃと具体ぐたい的てきな対応たいおうについて調整ちょうせいすることにしていて、水際みずぎわ対策たいさくを強化きょうかするとして打ち出うちだした要請ようせいは、3日間にちかんで方針ほうしん転換てんかんを迫せまられる形かたちとなりました。

そのうえで「今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうの変化へんかや自治体じちたいの準備じゅんび状況じょうきょう、ワクチンの供給きょうきゅう力りょくなどを踏ふまえ、必要ひつようがあれば改あらためて8か月かげつを待またずして接種せっしゅを行おこなう範囲はんいについてさらに検討けんとうを行おこなう。まずは、オミクロン株かぶのウイルスの特徴とくちょうやワクチンの効果こうかなどの情報じょうほう収集しゅうしゅうをしていきたい」と述のべました。

ワクチンやウイルスに詳くわしい北里きたざと大学だいがくの中山なかやま哲夫てつお特とく任にん教授きょうじゅは「遺伝いでん情報じょうほうのデータが公開こうかいされているが、感染かんせん力りょくが強つよい『アルファ株かぶ』の変異へんいに加くわえ、抗体こうたいの攻撃こうげきから逃のがれる『ベータ株かぶ』の変異へんいもあり、基本きほん的てきにはワクチンで誘導ゆうどうされた抗体こうたいから逃のがれるような傾向けいこうを持もっていると思おもう。実際じっさいに感染かんせんが広ひろがってきていることも考かんがえると、感染かんせんの拡大かくだいが懸念けねんされるウイルスだと思おもう」と述のべました。

また、ワクチンについて「今いまのワクチンは重症じゅうしょう化かを抑おさえる効果こうかが多少たしょう落おちるかもしれない。ただ、ワクチンは抗体こうたいだけでなく、ウイルスを攻撃こうげきする細胞さいぼうの活性かっせい化かも促うながすので、必かならずしも重症じゅうしょう化かを抑おさえることができないものではない」と述のべ、3回かい目めの接種せっしゅを含ふくめてさらに接種せっしゅを進すすめる必要ひつよう性せいを指摘してきしました。

そのうえで、現在げんざいの水際みずぎわ対策たいさくについて「水際みずぎわ対策たいさくは『時間じかん稼かせぎ』と捉とらえて、その間そのかんにこの変異へんいウイルスへの備そなえを進すすめておくという考え方かんがえかたが重要じゅうようだ」と指摘してきしています。

ただ、感染かんせんの減少げんしょうもあって参加さんかする医療いりょう機関きかんが思おもうように広ひろがらない現状げんじょうに危機きき感かんを募つのらせています。

取り組とりくみを進すすめているのは、川越かわごえ市しにある埼玉医科大学総合医療センターさいたまいかだいがくそうごういりょうせんた-の感染かんせん症しょう科かの岡おか秀昭ひであき教授きょうじゅです。

第だい5波はでは40床しょう余あまりある病床びょうしょうが埋うまり、入院にゅういんを断ことわらざるをえないケースも相次あいつぎ、岡おか教授きょうじゅは感染かんせんがいったん減少げんしょうしている今いまのうちに、コロナ診療しんりょうにあたる医療いりょう機関きかんを増ふやそうと、地域ちいきの診療しんりょう所しょなどに指導しどうを行おこなっています。

今後こんごは自宅じたく療養りょうよう者しゃなどにも対応たいおうする予定よていで、岡おか教授きょうじゅが重症じゅうしょう化かのリスクが高たかい患者かんじゃかどうか見極みきわめる方法ほうほうを伝つたえていました。

ワクチン接種せっしゅの有無うむを確認かくにんし、がんの治療ちりょうを行おこなっている場合ばあいや別べつの病気びょうきの治療ちりょうで免疫めんえきを抑おさえる薬くすりを使用しようしているケースは、ワクチン接種せっしゅ後ごも重症じゅうしょう化かのリスクがあると注意ちゅういを呼よびかけました。

そして、発症はっしょうから1週間しゅうかんほどたっても熱ねつが下さがらなければ「肺炎はいえん」を疑うたがい、息苦いきぐるしさといった自覚じかく症状しょうじょうがなくても入院にゅういんできるよう調整ちょうせいしてほしいと話はなしていました。

参加さんかした看護かんご師しは「正まさしくおそれつつ有事ゆうじの備そなえを今いまのから進すすめたい」と話はなしていました。

コロナ診療しんりょうに参加さんかする医療いりょう機関きかんを広ひろげようという取り組とりくみ。

感染かんせんが減少げんしょうしてきてからは依頼いらいが減へっていて、岡おか教授きょうじゅは、参加さんかする医療いりょう機関きかんが思おもうように広ひろがらない現状げんじょうに危機きき感かんを募つのらせています。