松坂まつさか大輔だいすけ 引退いんたいセレモニー イチロー登場とうじょうで涙なみだ【あいさつ全文ぜんぶん】

セレモニーのあと松坂まつさか投手とうしゅは「最後さいごにイチローさんに声こえをかけてもらって、これまでやってきてよかったと改あらためて思おもった。全部ぜんぶは言いわないが、『お疲おつかれさまでした』と『長ながいあいだよく頑張がんばった』ということばを聞きいた瞬間しゅんかんに一気いっきに涙なみだが出でた。選手せんしゅとして着きるユニフォームはきょうが最後さいごだと思おもっていたし、最後さいごにライオンズのユニフォームで18番ばんをつけることができて本当ほんとうにいい最後さいごだったと思おもう」と話はなしました。

そして花束はなたばを渡わたして23年間ねんかんの現役げんえき生活せいかつをねぎらうと松坂まつさか投手とうしゅは涙なみだを浮うかべていました。

この試合しあいでは、松坂まつさか投手とうしゅが試合しあい後ごのヒーローインタビューで「きょうで自信じしんから確信かくしんに変かわりました」という明言めいげん(名言めいげん？)を生み出うみだし、プロ野球やきゅう史しに残のこる名めい勝負しょうぶとして語り継かたりつがれています。

2人にんは大リーグだいり-ぐでも何なん度ども対戦たいせんし、ワールド・ベースボール・クラシックではチームメートとして日本にっぽんの2連覇れんぱに貢献こうけんしました。

まずはこのようなセレモニーを用意よういしていただいた球団きゅうだん関係かんけい者しゃの皆様みなさまありがとうございます。そして、メットライフドームまで足あしを運はこんでくださったファンの皆様みなさまありがとうございます。

僕ぼくは今こんシーズン、きょうをもちまして23年間ねんかんの現役げんえき生活せいかつから引退いんたいします。

野球やきゅうと一緒いっしょで物覚ものおぼえが悪わるいので紙かみを見みながら話はなしてもいいですか。

2006年ねんのポスティングでアメリカに行いくときに、ファン感謝かんしゃデーの日ひだったと思おもうんですけど、選手せんしゅ会長かいちょうだったということもあり最後さいごに挨拶あいさつする機会きかいがあったんですけど、やっぱりこの場ばに立たつとですね、忘わすれちゃうんですよね。

なので同おなじ思おもいはしたくないので、しっかり自分じぶんで考かんがえた文章ぶんしょうをですね、紙かみを見みながら話はなしをさせていただきたいと思おもいます。

野球やきゅうを始はじめたときから応援おうえんしていただいているかた、ライオンズに入団にゅうだんしてから応援おうえんしていただいているかた、けがをしてから応援おうえんしていただいているかた、たくさんのかたに支ささえてもらいました。

本当ほんとうに長ながい間まありがとうございました。

僕ぼくの現役げんえき時代じだいの原げん動力どうりょくは、応援おうえんしていただいているかたに喜よろこんでもらいたいと思おもい頑張がんばってきました。

「one for all,all for one」ということばがありますが、「one for all．1人にんはみんなのために」、僕ぼくはこのことばを胸むねに刻きざみ、投なげ続つづけてきました。

僕ぼくが投なげてきたことで、少すこしでもファンのかたが喜よろこんでくれたり勇気ゆうきやパワーを送おくることができていたのなら、こんな姿すがたになっても、まだまだ投なげ続つづけたいと思おもいながらやってきて本当ほんとうによかったと思おもいます。

小ちいさいころから投なげること、打うつことが大好だいすきで、引退いんたいする直前ちょくぜんまでもっと投なげたい、もっとみんなと勝かちたいと思おもっていた僕ぼくですが、最後さいごは普通ふつうに投なげられなくなるまで野球やきゅうを続つづけることができて本当ほんとうに幸しあわせでした。

プロ生活せいかつの後半こうはんは故障こしょうばかりでしたけど、僕ぼくを産うんでくれ育そだててくれた両親りょうしんに感謝かんしゃしています。

小ちいさいときから、常つねに僕ぼくと比較ひかくされ、苦くるしい時期じきを過すごしたこともあった弟おとうとにも感謝かんしゃしています。

若わかいときから引退いんたいするときまで、僕ぼくのわがままを許ゆるしてくれた、妻つま、子こどもたちにも感謝かんしゃしています。

妻つまのお母おかあさん、天国てんごくで見守みまもってくれている妻つまのお父おとうさんにも感謝かんしゃしています。

ただ、ここまで来くる中なかでたくさんのかたに、たくさんの不満ふまんや迷惑めいわくをかけてきたことも事実じじつです。改あらためて申し訳もうしわけありませんでした。

こんな僕ぼくに投なげる場所ばしょを与あたえてくれたライオンズ、ホークス、ドラゴンズ、レッドソックス、インディアンス、メッツ、そしていつも僕ぼくの気持きもちを奮い立ふるいたたせてくれたファンの皆様みなさま、感謝かんしゃしています。ありがとうございました。

そして、これからもプレーしていく選手せんしゅの皆みなさんへ。

誰だれでもいつかやめる日ひが来きます。選手せんしゅの時間じかんは無限むげんではありません。

悔くいの残のこらないように日々ひびを過すごしてください。

引退いんたい試合しあいの時ときにも言いいましたが、トレーニング、体からだのメンテナンスには十分じゅうぶんお金おかねをかけてあげてください。

それがいつか自分じぶんにいい結果けっかとして返かえってくるはずです。

もしそれが結果けっかに結むすびつかなかったとしても、一生懸命いっしょうけんめい考かんがえ、実践じっせんしたことは、無駄むだにはなりません。

23年間ねんかんやってきた中なかで、たくさんのうれしい経験けいけん、悔くやしい経験けいけんをしてきましたが、いつでも悔くやしい経験けいけんのほうが強つよく残のこっています。

その悔くやしい経験けいけんをばねに僕ぼくは挑戦ちょうせんしてきました。

それは自分じぶんで自信じしんをもって誇ほこれる部分ぶぶんだと思おもっています。

今いまの結果けっかに満足まんぞくしている選手せんしゅは誰だれ1人にんとしていないと思おもいますが、そのときそのときの結果けっかに満足まんぞくすることなく、うれしい経験けいけん、悔くやしい経験けいけんをたくさん積み重つみかさねて信念しんねんを持もって上うえを目指めざしていってほしいと思おもいます。

その経験けいけん、思おもいをこれからの世代せだいに紡つむいでいくことができれば、またライオンズの黄金おうごん時代じだいがやってくるのではないかと思おもっています。

これからは1人にんの野球やきゅうファンとして埼玉さいたま西武ライオンズせいぶらいおんずの明あかるい未来みらいを楽たのしみにしています。

最後さいごに改あらためて23年間ねんかん、長ながいあいだ支ささえていただき、前まえに進すすむために背中せなかを押おしていただき、本当ほんとうにありがとうございました。

40代だいの男性だんせいは「同どう年代ねんだいくらいだったので高校こうこうのときから憧あこがれてずっと応援おうえんしていました。『長ながいあいだお疲おつかれさまでした』と伝つたえたいです」と話はなしていました。

30代だいの女性じょせいは「松坂まつさか投手とうしゅがイチローさんと対戦たいせんした試合しあいが思い出おもいでに残のこっています。きょうは松坂まつさか投手とうしゅの姿すがたを目めに焼き付やきつけたいです」と話はなしていました。