大谷翔平選手の専属通訳だった水原一平被告は、去年3月、ドジャースが韓国のソウルで開幕シリーズをたたかうさなかに違法賭博による借金の返済のため大谷選手の口座から多額の不正送金を行っていた疑惑が浮上し、通訳を解雇されました。
その後、大谷選手の口座から1700万ドル近くを不正に送金したなどとして、銀行詐欺の罪とうその納税申告をした罪で起訴され、水原元通訳は検察側との司法取引に応じて起訴内容を認めました。
6日、ロサンゼルス近郊サンタアナの連邦裁判所で量刑の言い渡しが行われ、裁判所は水原元通訳に▽4年9か月の拘禁刑と▽大谷選手への賠償金としておよそ1700万ドル、日本円にしておよそ26億円の支払いなどを言い渡しました。
裁判官は言い渡しにあたり「1700万ドルという額は衝撃的で高額だ」と述べ、だまし取った金額の大きさなどを判断の理由の1つにしたと説明しました。
言い渡しに先立って水原元通訳は法廷で「大谷選手に対し本当に申し訳なく思っている。結果を受け入れる準備はできている」と述べました。
水原元通訳 問いかけには応じず
水原元通訳は日本時間の7日午前7時45分ごろ、裁判所から姿をあらわし、集まった報道陣から量刑の受け止めなどについて質問されましたが、問いかけには応じず無言のまま車に乗り込みました。
大谷 シーズンオフの取材で明かした思い
ドジャースの大谷選手は、シーズンオフに応じたNHKの取材で水原元通訳の事件について「僕の中ではまだ終わっていないというか、まだ続いていることではあるので。今その時がどうだったかみたいなことではなく、それがずっと続いているという感じ」と話しました。
昨シーズンの開幕直後に起きた事件当時については「やることが多すぎて、単純に時間がなかった。いろいろな人と話さなければいけなかったし、午前中に状況説明などをやってから球場に来て『はい、プレーです』みたいな感じだった」と振り返り、睡眠が足りていない日が続いていたと明かしました。
そのうえで「僕は僕で、別に負い目を感じる事もないので。何を言われても自分の仕事をしたいなというか、自分がむしろ好きでここまで小さい頃からやってきて、やっと来られたこういう所で、そういうふうに思ってプレーすること自体がもったいない。そこはそこ、ここはここという感じではあった」ときぜんと話していました。