アメリカのトランプ大統領は4日に行われたイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で、パレスチナのガザ地区をアメリカが長期的に所有し再建するとした上で、地区の住民について別の場所への移住を進めるべきだという考えを示しました。
これに対して各国からは「国際法に違反する」などと反発や懸念の声が上がっています。
こうした中、トランプ大統領は6日、自身のSNSに「ガザ地区は戦闘が終わった時に、イスラエルからアメリカに引き渡されるだろう。アメリカは世界中から集まった開発チームと協力し、地球上で最も偉大で壮大な開発となる建設をゆっくりと慎重に始めるだろう」と投稿し自身の主張を繰り返しました。
一方、トランプ大統領は同じ投稿の中で「アメリカ軍は必要ない」としました。
先の記者会見で、トランプ大統領は記者団から、アメリカ軍をガザ地区に派遣する可能性があるか問われた際「必要であれば派遣する」と答えていましたが、アメリカ軍は派遣しないと強調した形です。
イスラエル ガザ地区から出る住民の許可準備 ハマスは非難
アメリカのトランプ大統領がパレスチナのガザ地区の住民について別の場所への移住を進めるべきだなどとする考えを示したことを受けて、イスラエルのカッツ国防相は、6日、軍に対してガザ地区の住民が自発的にガザ地区から出ることを許可するための準備を始めるよう指示したと明らかにしました。
ガザ地区は、イスラエル軍によって封鎖され、住民の地区外への移動は厳しく制限されてきましたが、陸路だけでなく船や航空機による移動についても検討するとしています。
この対応にイスラエルの極右の政治家からは歓迎する声があがっていて、このうちスモトリッチ財務相は「イスラエルの平和と安全を保障する解決策はほかにない」とする声明を出しました。
一方、イスラム組織ハマスは6日「パレスチナ人をみずからの土地から追い出そうとするいかなる試みも許さない」などとする声明を出し、改めて非難しています。
また、ガザ地区と境界を接するエジプトの外務省も6日、声明を発表し、「こうした行為は、停戦協議を破壊し、再び戦闘を招くだけでなく、地域全体のリスクにもなりうる」などと非難しました。