記録的大雪も
気象庁によりますと、今シーズン1番の強い寒気などの影響で、今月3日から9日にかけて北日本から西日本の広い範囲で大雪となり、ふだん雪が少ない鹿児島市など九州の平地のほか、京都市や名古屋市などの都市部でも雪が積もりました。
このうち、今月3日の夜から4日にかけては急速に発達した低気圧に向かって湿った空気が北海道の太平洋側に流れ込み、帯広市では4日午前9時までの12時間に降った雪の量が120センチと、全国の記録を更新しました。
また、7日には新潟市で午後11時までの6時間に44センチの雪が降り、1997年の統計開始以来最も多くなるなど、新潟や北陸で雪の量が急激に増え、新潟県と石川県で「顕著な大雪に関する情報」が相次いで発表されました。
積雪 平年の3倍超のところも
各地で急激に雪の量が増えた影響で積雪も多くなっています。
今月3日の午前0時と大雪のピークが過ぎたあとの9日午後6時の積雪を比べると、
▽岐阜県白川村では1メートル26センチ増えて2メートル60センチとなったほか
▽群馬県みなかみ町藤原で1メートル8センチ増えて2メートル48センチ
▽長野県野沢温泉村で99センチ増えて2メートル24センチなどとなりました。
このうち岐阜県白川村では、5日午後9時までの48時間に降った雪の量が129センチと1983年の統計開始以来、最多となりました。
また、雪が積もっていなかった
▽鳥取市で25センチ
▽石川県輪島市で22センチ
▽新潟市で20センチになり、
この1週間で一気に積雪が平年の3倍を超えたところもありました。
北日本と東日本 11日にかけて日本海側を中心に断続的に雪
冬型の気圧配置は緩むものの、上空に寒気が残るため、11日にかけて北日本と東日本の日本海側を中心に断続的に雪が降る見込みです。
積雪の多い地域では、引き続き交通への影響のほか、着雪に伴う停電や倒木、雪崩に注意が必要です。
除雪作業中の事故が相次いでいます。
足元に十分注意するとともに、屋根からの雪下ろしは複数人で行うほか、命綱やヘルメットを正しく着用し、はしごはしっかりと固定するなど、安全対策を徹底してください。
除雪作業や雪下ろし中の事故に注意
一連の寒波のピークは過ぎましたが、専門家は大雪のあとは除雪作業による事故が多くなるほか、週の半ばから雨が予想されている地域があり、雪の重みが増して落雪の危険性が高まるとして注意を呼びかけています。
防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの中村一樹センター長によりますと例年大雪による事故の多くは除雪作業や雪下ろし中に起きているということです。
このため、命綱やヘルメットの着用やはしごの固定など安全対策を徹底するよう呼びかけています。
特に、今回の寒波は長期に及んだため、すでに何度も除雪を行っている人は疲れがたまっていて事故のリスクがふだんより高くなっているとして無理をしないことが大切だということです。
一方、週の半ば以降、気温が上がって、雨が降ると予想されている地域があり、落雪の危険性が高まると指摘しています。
屋根に雪が積もって固く締まり、屋根から張り出す雪庇(せっぴ)ができているところもあるとして、軒下を通る際に注意するよう呼びかけています。
また、雨が降ると積もった雪の重さが増し、建物の倒壊の危険性が高くなるほか、除雪が追いついていない道路では路面の悪化につながるため注意が必要だとしています。
さらに、今回は急激に積雪が増えた地域が多いため、雪崩も起きやすくなっているとして木がなく傾斜が急な斜面をはじめ、雪の凹凸や割れ目がある斜面には近づかないよう呼びかけています。
中村センター長は「大雪のピークが終わって気が緩んでしまう時こそ事故が起きやすい。気を引き締めて作業にあたってほしい」と話しています。