風疹とはしかの混合ワクチンは、1歳の子どもと、小学校に進学前の5歳や6歳の子どもを対象に定期接種が行われているほか、かつて公的な接種が受けられなかった40代から60代の男性には、3月末を期限に追加接種が行われています。
ところが、ワクチンを製造する一部の製薬会社が2024年から製造の不調による出荷制限や停止を行い、供給が一時的に不安定になっています。
「日本小児科医会」が1月下旬に全国438人の小児科医に調査したところ、希望した量のワクチンを入荷できていないと答えた医師が48%と、半数近くに上りました。
中でも、
▽希望した量の半分以下しか入荷できていない医師が22%いたほか
▽全く入荷できていない医師も5%いました。
こうしたワクチン不足は、子どもの定期接種にも影響を及ぼしていて、
▽5歳や6歳への接種に何らかの影響が出ていると答えた医師は46%と、半数近くに上っています。
このうち、
▽「予約を制限している」という医師は16%
▽「予約を中止している」という医師は8%
などとなっています。
日本小児科医会の関係者は「接種率が下がると感染が拡大するおそれもあるので、国は、希望者にワクチンが行き渡るよう、速やかに対策を取ってもらいたい」と話しています。
一方、厚生労働省は「ほかの製薬会社が出荷の前倒しを行い、今後は供給が安定する見通しで、接種を希望する人は、医療機関に問い合わせてほしい」としています。
流通面に問題の可能性 厚労省が調査
厚生労働省によりますと、風疹とはしかの混合ワクチンは、現在、出荷が止まっている製薬会社の供給分を、ほかの会社が前倒しして出荷することで、今年度は、最終的に例年並みの量を確保できる見通しだということです。
一方、1月になっても一部の医療機関にワクチンが届かないのは、地域ごとに供給量が偏るなど、流通面での問題が影響している可能性があるとして、現在、調査を進めています。
そのうえで、厚生労働省は「今後、供給が安定する見通しなので、接種を希望する人は、まずは医療機関に問い合わせてほしい」と呼びかけています。