トランプ大統領は、10日、アメリカに輸入される鉄鋼製品とアルミニウムに25%の関税を課す文書にそれぞれ署名しました。
アルミニウムは現在の関税率10%から25%に引き上げると説明しています。
トランプ大統領は、1期目に鉄鋼とアルミニウムに関税を課したことでアメリカの鉄鋼産業が守られたと強調したうえで、「すべての国が対象で例外あるいは適用除外は設けない」と述べました。
日本の製品も対象になるものとみられます。
1期目のときは、メキシコやカナダ、オーストラリアなどからの鉄鋼製品については追加関税の適用が除外となったほか、それ以降、日本からの製品も関税が課されない枠が設けられるなどの対応がとられていましたが、こうした特例措置は撤廃されることになります。
トランプ大統領は、「わが国には外国ではなくアメリカで製造された鉄鋼とアルミニウムが必要だ。アメリカの将来を守るため製造業と生産を復活させなければならない。多くの企業がアメリカ国内で事業を始めることになるだろう」と述べました。
またトランプ大統領は半導体や医薬品などに加えて自動車への関税措置の導入も示唆しました。
詳細は明らかにしませんでした。
鉄鋼製品やアルミニウム 関税の経緯と影響
アメリカのトランプ大統領は、1期目の2018年、中国による過剰生産によって鉄鋼製品やアルミニウムが安く輸入され、安全保障上の脅威になっているとして、通商拡大法232条を使って日本を含む多くの国から輸入される鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を一律に課しました。
その後
▽メキシコやカナダなどからの鉄鋼製品については追加関税の適用が除外となったほか
▽日本もバイデン政権時代の2022年、鉄鋼については「関税割当」と呼ばれる制度を導入して、日本からの輸入のうち年間125万トンまでは関税を上乗せしない対応となっています。
ただ、アメリカではその後も中国で過剰生産された鉄鋼製品が別の国を経由して流入することへの警戒が続き、去年7月にはバイデン前政権のもとでメキシコから輸入される鉄鋼製品について、アメリカ、メキシコ、カナダで原料をとかし、型に流し込まれたことを証明する書類を提出することが適用除外の条件となるなど、対応を見直していました。
アメリカ鉄鋼協会によりますと、アメリカが去年輸入した鉄鋼製品について国別にみると
▽カナダが最も多く全体の22.7%を占めたほか
▽ブラジルが15.5%
▽メキシコが12.1%などとなっています。
▽日本は4.0%
▽中国からの輸入については規制の影響で1.7%にとどまっています。
アルミニウム製品についてはメキシコやカナダなどは適用が除外されましたが、多くの国では追加関税が課せられた状態となっています。