アメリカのトランプ大統領は、10日に放送されたFOXニュースのインタビューで、ウクライナについて「レアアースや石油、天然ガスなどとてつもなく価値がある土地を彼らは持っている。私たちは何千億ドルも投じているのだから、われわれの資金が確保されるようにしたい」と述べ、軍事支援の継続と引き換えに、レアアースなどの資源をめぐって何らかの合意を取りつけたい考えを改めて示しました。
その上で「彼らは取り引きするかもしれないし、しないかもしれない。いつかロシアになるかもしれないし、ならないかもしれない」と述べました。
ロシアへの領土の割譲を容認するとも受け止められる発言だとして波紋を呼んでいます。
一方、ウクライナ侵攻の終結に向けた担当特使を務めるケロッグ氏は10日、ロイター通信の取材に対しバイデン前政権が承認したウクライナへの武器供与はいまも続いていると明らかにしました。
ケロッグ特使は近くウクライナを訪問することになっているほか、バンス副大統領がゼレンスキー大統領と14日に会談する予定で、ウクライナ側との協議が本格化するとみられます。
財務長官がゼレンスキー大統領と会談へ
トランプ大統領は11日、ベッセント財務長官をウクライナに派遣しゼレンスキー大統領と会談させる考えを自身のSNSで明らかにしました。
この中では「この戦争はすぐに終わらせなければならないし、すぐに終わるだろう。あまりにも多くの死と破壊だ。アメリカは何十億ドルも世界で費やしてきたが成果は少ない」としています。
これに先立ってアメリカのメディア、ブルームバーグはベッセント長官が今週ウクライナを訪れ、トランプ大統領が軍事支援を継続する条件として取り引きを求めているウクライナ国内のレアアースなどの資源をめぐって協議を行う見通しだと伝えていました。
トランプ政権の閣僚がウクライナを訪問するのはこれが初めてとなるということです。