中国の2024年の婚姻数は前年比157・4万組減の610・6万組で、統計の残る1985年以降で過去最低となったことが、民政省の発表で明らかになりました。23年は厳格な行動制限を伴う減少率も20・5%と過去最大でした。政府は少子化対策として結婚を奨励するなどしていますが、減少に歯止めがかかりません。
減少の背景には、価値観の多様化のほか、教育費など子育て費用の高騰、長引く経済の低迷に伴う若者の雇用環境の悪化などがあります。中国国内のSNS(ネット交流サービス)には「自分の将来さえ見通せないのに、誰が結婚できるというのか」「単身で生きていくことが最も良い選択だ」といったコメントがあふれます。
伝統的な家族観が根強く、婚外子の少ない中国では、婚姻数の減少は出生数減に直結します。