アメリカ側はホワイトハウスで安全保障政策を担当するウォルツ大統領補佐官やウィトコフ中東担当特使が協議を主導するということです。
一方、ロシア側の代表団には、▼大統領府で外交政策を担当するウシャコフ補佐官と、▼対外情報庁のナルイシキン長官が含まれているとしています。
また、ウクライナからも高官が参加すると見られるものの、「会合に向けた準備に深く関わっているわけではないようだ」としています。
政治専門サイトポリティコは今回の会合について、3年前に戦闘が始まって以降、ロシアとウクライナの代表が参加する、初めての主要な協議の場になるとするとともに、ヨーロッパの主要国からの参加を見込んでいないため、NATO=北大西洋条約機構の国々を「いらだたせることになるかもしれない」と伝えています。
ゼレンスキー大統領「ウクライナ関与なし 受け入れられない」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、15日、演説し、戦闘の終結に向けた交渉をめぐり「われわれは平和に向けてともに行動する必要がある。ウクライナの関与なしに進められる取り引きは絶対に受け入れられない」と述べ、当事者抜きの交渉はあり得ないとする立場を改めて示しました。
ゼレンスキー大統領は、アメリカのトランプ大統領からロシアのプーチン大統領との電話会談について説明を受けたことに触れ、「トランプ氏はヨーロッパが交渉に参加することが必要だと一度も言わなかった」と明らかにしました。
その上で、アメリカが無条件にヨーロッパを支持してきた時代は終わり、ヨーロッパとして脅威に備えていく必要があるという見方を示しました。
また、ロシアに対抗するには、ウクライナの兵力だけでは十分ではないなどとして、ヨーロッパがみずからの防衛力を高めるために独自の軍を創設すべきだと訴えました。
「私は招待状を見ていない」
ウクライナのゼレンスキー大統領は一部で報じられたサウジアラビアでの会合について15日、記者団に対し「もしかしたらテーブルの上に何か乗っているのかもしれないが、われわれのテーブルにはない。私は招待状を見ていないし、ほかの国と会うためのウクライナの特使などもない」と述べ、ウクライナの代表団が参加する予定はないとしました。
ゼレンスキー大統領は、アメリカのトランプ大統領が今月12日、自身より先にロシアのプーチン大統領と電話会談したことについて「不快だ」とした上で、「トランプ大統領がウクライナより前にプーチンと会うのはさらに危険だ」と述べるなど、停戦に向けた協議がウクライナの頭越しに行われることに強い警戒感を示しています。
米 欧州へ書簡 “ウクライナの安全確保に提供できるもの提示を”
関係者によりますと、アメリカのトランプ政権は、ヨーロッパ各国に対して15日までに書簡を送り、ウクライナとロシアとの戦闘の終結に向け、ウクライナの安全を確保するために何を提供できるのかを提示するよう求めてきたということです。
書簡には、ウクライナへの武器の供与や平和維持部隊の派遣が可能かどうかを問う内容が含まれているということです。
こうしたなかEU=ヨーロッパ連合の外相にあたるカラス上級代表は、ミュンヘン安全保障会議に出席している各国の外相を集めて16日に非公式の外相会議を開き、ウクライナ情勢をめぐり協議することにしています。