来年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックのプレシーズンとなる、今シーズン、スキージャンプ男子のワールドカップ札幌大会は、16日、大倉山ジャンプ競技場でヒルサイズ137メートルのラージヒルで15日に続き個人の第23戦が開かれました。
15日、今シーズン初優勝をマークした小林選手は1回目に持ち味の思い切りのいい踏み切りから132メートルのジャンプで132ポイントを獲得し、トップとおよそ7ポイント差の2位につけました。
2回目は、安定した姿勢で踏み切り、全体トップとなるヒルサイズの137メートルをマークするビッグジャンプで、146.4ポイントを獲得し、合計278.4ポイントとして逆転で優勝を果たしました。
小林選手は、2戦連続の優勝でワールドカップの通算勝利数を34とし、来月ノルウェーで開かれる世界選手権に向けて弾みをつけました。
一方、52歳の葛西紀明選手は、午前中の予選を通過して自身が持つワールドカップの歴代最多出場記録を「579」に更新しました。
葛西選手は本戦の1回目のジャンプは105メートルにとどまり、上位30選手が進出する2回目には進めませんでした。
このほか2回目に進んだ日本勢は、二階堂蓮選手が14位、中村直幹選手が15位、小林朔太郎選手が21位、佐藤幸椰選手が22位でした。
小林陵侑「いい自信になった」
2戦連続の優勝を果たした小林陵侑選手は、「1本目のジャンプもイメージとしては悪くなかった。2回目はとてもいい流れで飛べたので、すごくよかったと思うし、札幌に戻ってきた2試合で地元の皆さんの前でいいジャンプが飛べていい自信になった」と淡々と振り返りました。
その上で、来月、ノルウェーで開かれる世界選手権に向けて「世界選手権は、唯一とっていないタイトルなので、これからとても楽しみです」と笑顔で話していました。
葛西紀明「変なジャンプをしてしまった」
自身が持つワールドカップの歴代最多出場記録を「579」に更新した葛西紀明選手は、「プレッシャーはなかったが、おとといやきょうの予選で変なジャンプをしてしまっていたので、本戦の1回目は守りにいって飛距離を伸ばせなかった。調子はいいのできちんと飛べばいいジャンプができると思うが、なかなか普通に飛ぶというのは難しい」と試合を振り返りました。
その上で記録の更新については、「すごくうれしいが、だからこそ最高のジャンプを飛んで来てくださった大勢の皆さんと喜びたかった」と悔しそうに話していました。