トランプ大統領は
安倍総理大臣との
間で
新たな
貿易交渉の
最終合意に関する
共同声明に
署名し、70
億ドル
分の
農産品の
市場開放を
実現できると
成果を
強調しました。
一方で、
日本による
関税や
非関税障壁を
取り除くため
包括的な
協定に
向けて
交渉を
続けるとして、
貿易赤字の
削減に
強い意欲を
示しました。
トランプ大統領はニューヨークで25
日、
安倍総理大臣との
間で
新たな
貿易交渉が
最終合意に
達したことを
確認し、
共同声明に
署名しました。
これについてトランプ大統領は「日本は、アメリカの農産品のために70億ドル分の市場を開くことになる」と述べ、とりわけ農産品の輸出拡大につながるとして、成果を強調しました。
アメリカ通商代表部によりますと、関税の引き下げや撤廃の対象は、日本に輸出する牛肉、豚肉、小麦、チーズ、トウモロコシ、ワインなど幅広い分野に及ぶとしています。
また、ビデオ、ゲーム、音楽、電子書籍などのデジタル分野で関税を課すことを禁止するとしています。
一方で、日本による関税や非関税障壁を取り除くため包括的な協定に向けて交渉を続けるとしています。
トランプ大統領は「今回の協定は慢性的な貿易赤字を削減する重要な取り引きだ。残る分野についても前進を続けてそう遠くない将来、日本との間でさらに包括的な取り引きをするだろう」と述べ、日本に対する貿易赤字を削減することに強い意欲を示しました。
米通商代表 自動車の追加関税「現時点で意図ない」
日本との貿易交渉の責任者、ライトハイザー通商代表は、焦点になっていた、アメリカの自動車産業を守るため通商拡大法232条に基づいて、日本から輸出される自動車に高い関税を上乗せする措置について「トランプ大統領も、現時点では日本の自動車に対して何かしようという意図はない」と述べ、共同声明の精神を踏まえ、現時点では、自動車に追加の関税を課すことはしないという考えを示しました。
トランプ大統領 農家同席させ成果を強調
トランプ大統領はニューヨークで行った日米首脳会談の一部に国内の農業団体の代表らを同席させ、日本との新たな貿易交渉が最終合意に達した成果を強調しました。
農家はトランプ大統領の重要な支持基盤の一つで、来年の大統領選挙に向けて日本との首脳会談の場を最大限利用した形です。
トランプ大統領と安倍総理大臣の日米首脳会談は、日本時間の26日午前1時半前から行われました。
トランプ大統領は会談の一部にアメリカ国内の農業団体の代表らを同席させたうえで報道関係者を招き入れ、「大きな合意ができた」と述べて日本との新たな貿易交渉が最終合意に達した成果を強調しました。
さらにトランプ大統領は「みんなうれしいだろう。多くのカネが入ってくるぞ」などと述べたうえで、農業関係者に発言を促し、農業関係者からは「これで公正な取り引きができるようになります」とか、「私たちのために立ち上がってくれたことに感謝します」などと大統領を称賛する発言が相次ぎました。
一方でトランプ大統領は報道陣からの質問には答えませんでした。
来年の大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領にとって農家は重要な支持基盤の一つですが、中国との貿易摩擦が長引くなか影響を受けている農家の支持離れも指摘されていて、トランプ大統領は首脳会談の場を国内の農家へのアピールの場として最大限利用した形です。