群馬県によりますと、豚コレラの疑いがある野生のイノシシは、先月26日に上野村で捕獲された1頭と、先月28日に藤岡市で捕獲された1頭で、県が行った遺伝子検査で陽性反応が出たということです。
現在、国の研究機関が詳しい検査を行っていて、4日夕方にも結果が判明する見通しだということです。
豚コレラは、去年9月、国内では26年ぶりに岐阜県で確認されて以来、各地に広がっていて、野生のイノシシは感染拡大の要因の1つとされています。
国の検査で最終的に感染が確認されますと、野生のイノシシへの感染は今回の群馬県で10県に上ることになります。
群馬県は養豚が盛んで、農林水産省のまとめによりますと、飼育されているブタの数はことし2月の時点でおよそ63万頭と関東地方で最も多く、全国でも4位となっています。
県は、イノシシが捕獲された場所から半径10キロ圏内にある13の養豚場を監視対象として飼育されているブタに異常がないか確認を進めています。
ワクチン接種 早ければ今月中にも
農林水産省は先月、ブタへのワクチン接種を行うことを決め、野生のイノシシへの感染が確認されている岐阜県など9つの県で行うとする案を発表しました。
その中で3日、ブタの飼育頭数が全国4位の群馬県でもウイルスに感染した疑いのある野生のイノシシが見つかり、国の検査機関でさらに詳しい検査が行われています。
農林水産省は、感染を広げるとされる野生のイノシシから養豚場のブタを守ることを重視しており、群馬県でイノシシの感染が確定すれば、ワクチン接種を行う地域に9つの県に加え新たに群馬県も含めたいとしています。
現在、農林水産省は、ブタへのワクチン接種を行うために豚コレラへの対応方法を示した指針の改定作業を進めていて、一般からの意見を聞くパブリックコメントが週明けの今月7日に締め切られる予定です。
農林水産省は専門家の意見も考慮しながら指針の改定を急ぎ、「早ければ今月中にも接種を始められる環境を整えたい」としています。