先の
内閣改造後、
初めての
国会と
なる臨時国会が
召集され、
安倍総理大臣は、
所信表明演説で、
最大の
挑戦は
急速に
進む少子高齢化への
対応だとしたうえで、
多様性を
認め
合う社会を
創ること
を通じて
課題の
克服を
図り、
全世代型社会保障制度の
実現を
目指す考えを
強調しました。
また、
憲法改正については、
衆参の
憲法審査会で
議論を
進め、
国民への
責任を
果たすよう
呼びかけました。
先の内閣改造後、初めての国会となる臨時国会が、4日、召集され、安倍総理大臣は、衆参両院の本会議で、所信表明演説を行いました。
この中で、安倍総理大臣は、はじめに、「最大の挑戦は、急速に進む少子高齢化だ」と述べ、幼児教育・保育の無償化などを通じて、子育て世代の負担を減らし、家庭の経済状況にかかわらず、子どもたちが夢に向かって努力できる社会の実現に向けた決意を強調しました。
また、難病のALS=筋萎縮性側索硬化症患者で、れいわ新選組の舩後靖彦参議院議員が、7月の選挙で当選したことを友人としてお祝いするとしたうえで、「新しい時代の日本に求められるのは、多様性だ。多様性を認め合い、すべての人が個性を活かすことができる社会を創ることで、少子高齢化も必ずや克服できる。誰もが、思う存分、その能力を発揮できる一億総活躍社会を、ともに創り上げよう」と述べました。
そして、全世代型社会保障制度の実現に向けて、「人生百年時代を見据えた改革を果断に進める」と決意を述べ、希望する高齢者の70歳までの就業機会の確保や、パートなど短時間労働者の老後の安心のため、厚生年金の適用範囲の拡大などを進める考えを示しました。
さらに、成長戦略について、雇用情勢の改善が継続していると、アベノミクスの成果を強調し、「就職氷河期世代の意欲や経験、能力を生かし、チャンスを広げることで、日本経済の次なる成長につなげていく」と述べるとともに、農産品のさらなる輸出拡大を促進する法律を制定し、各国に輸入規制緩和を働きかけていく考えも示しました。
続いて、東日本大震災からの復興に向けて、再来年3月末で設置期限を迎える、復興庁の後継組織を新たに設け、復興に全力を尽くすほか、台風15号では、千葉県内で大規模な停電が長期間続くなどの被害が出たことを踏まえ、国や自治体などの対応を徹底して検証し、速やかに対策を講じるとしています。
そして、消費税率10%への引き上げについて、軽減税率やプレミアム付き商品券などの対策で消費を下支えするとともに、「不透明さを増す世界経済の先行きを注視し、下振れリスクが顕在化する場合には、躊躇(ちゅうちょ)することなく、機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものにする」と強調しました。
続いて、外交安全保障分野では、「自由貿易の旗手として、自由で公正なルールに基づく経済圏を世界に広げていく」と述べたうえで、先月の日米首脳会談で最終合意に達した日米貿易協定について、「なお残る農家の不安にも向き合い、引き続き、生産基盤の強化など、十分な対策を講じる」としました。
北朝鮮情勢については、「アメリカと緊密に連携し、国際社会と協力しながら、国民の安全確保に万全を期す。何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、私自身が、条件を付けずに、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と向き合う決意だ。冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していく」と述べました。
さらに、来年春に、中国の習近平国家主席を国賓として迎え、日中関係を新たな段階に押し上げるとしたほか、ロシアとの平和条約交渉について、日ソ共同宣言を基礎として、交渉を次の次元に進めていく決意を重ねて示しました。
一方、韓国については、「重要な隣国だ」と述べる一方、「徴用」をめぐる問題を念頭に、国際法違反の状態を速やかに是正するよう求めるとしました。
そして、安倍総理大臣は、国境を越えたデータの自由な流通などを例にあげ、「あらゆる分野で、新しい時代の世界のルールづくりを日本が力強くリードしていく」と強調しました。
最後に、憲法改正について、令和の時代に日本がどのような国を目指すのか、理想を議論すべき場が国会の憲法審査会だとして、「私たち国会議員がしっかりと議論し、国民への責任を果たそうではないか」と呼びかけました。