パリの中心部にある警視庁の庁舎で今月3日、警察官ら4人が同僚の事務職員の男にナイフで襲われて死亡した事件では、襲った男もその場で銃で撃たれて死亡し、検察はテロの疑いで捜査を進めています。
検察は5日、事件についてパリで記者会見を開き、男はカリブ海にあるフランス領マルティニーク島出身の45歳で、およそ10年前にイスラム教に改宗し、ここ数か月は洋服ではなく、モスクに行く時に着る伝統的な服を身につけるようになったことを明らかにしました。
また、事件のおよそ1時間前、携帯電話で妻と33通のメッセージをやり取りし、アラビア語で「神は偉大なり」などと書いていたということです。
検察はこうした捜査結果を基に、男がイスラム教の過激な思想の影響を受けていたという見方を示しました。
フランスではパリのコンサートホールなどが襲撃されて、130人が犠牲になった4年前の同時テロ事件以降も過激思想を背景とした事件が相次いでいます。
政府が監視の対象にしている人物は、今も国内におよそ2万人いますが、今回、警察の内部にまで過激思想の影響がおよんでいたことに衝撃が広がっています。