１いちメートル84センチと長身ちょうしんの左ひだりピッチャーで、速球そっきゅうと大おおきく縦たてに割われるカーブを持ち味もちあじに２に年ねん目めから14年ねん連続れんぞくで20勝しょう以上いじょうを挙あげ、昭和しょうわ32年ねんには完全かんぜん試合しあいを達成たっせいするなど球界きゅうかいを代表だいひょうするピッチャーとして活躍かつやくしました。

また９きゅう年ねん目めの昭和しょうわ33年ねんには巨人きょじんの長嶋ながしま茂雄しげおさんのデビュー戦せんで４よん打席だせき連続れんぞくで三振さんしんを奪うばいました。

その後そのご、巨人きょじんに移籍いせきして昭和しょうわ44年ねんに引退いんたいするまでの20年間ねんかんで前人ぜんじん未到みとうの400勝しょうを挙あげました。

奪うばった三振さんしんの数かずは4490個こ、通算つうさんの投球とうきゅう回数かいすうや完投かんとう数すう、さらに負まけの数かずもプロ野球やきゅう史上しじょう最多さいたで、背せ番号ばんごう「34」は巨人きょじんの永久えいきゅう欠番けつばんとなっています。

引退いんたい後ごはロッテの監督かんとくを通算つうさん８はち年ねん務つとめて昭和しょうわ49年ねんには日本一にっぽんいちに輝かがやいたほか、派手はでなパフォーマンスでも注目ちゅうもくを集あつめました。

金田かねださんは６ろく日にち午前ごぜん４よん時半じはんすぎ、急性きゅうせい胆きも管かん炎えんによる敗血症はいけつしょうのため東京とうきょう都内とないの病院びょういんで亡なくなりました。86歳さいでした。

同い年おないどしの中西なかにし太ふとしさん「取り残とりのこされた気分きぶん」

同い年おないどしの中西なかにし太ふとしさんは「テレビで亡なくなったことを知しり驚おどろいた。球界きゅうかいを代表だいひょうする偉大いだいな投手とうしゅで、オールスターでも戦たたかったし、よく冗談じょうだんを言い合いいあう仲なかだった。金田かねださんとは去年きょねん暮くれの巨人きょじんの原げん辰たつ徳とく監督かんとくの野球やきゅう殿堂でんどう入いりのパーティーで同おなじテーブルになった。金田かねださんは元気げんきにしていて『高齢こうれいだから体からだに気きをつけような』と言いったところだった。野球やきゅう一筋ひとすじに生いきた大だい投手とうしゅだった。取り残とりのこされた気分きぶんで残念ざんねんです」と話はなしていました。

野村のむら克也かつやさん「天国てんごくから野球やきゅう界かい見守みまもって」

プロ野球やきゅうで同おなじころに活躍かつやくした野村のむら克也かつやさんは「球界きゅうかいの大だい先輩せんぱいで同おなじ時代じだいに戦たたかってきた方ほうをまた１いち人にん失うしなって悲かなしいかぎりです。天国てんごくから野球やきゅう界かいを見守みまもってください。ご冥福めいふくを心こころよりお祈おいのりいたします」とコメントしました。

勝利しょうり数すう歴代れきだい２に位いの米田よねだ哲也てつやさん「記録きろく求もとめたからこそ」

プロ野球やきゅうの阪急はんきゅうなどで先発せんぱつピッチャーとして活躍かつやくし、金田かねだ正一しょういちさんに次つぐ歴代れきだい２に位いの350勝しょうをあげた米田よねだ哲也てつやさんは「体調たいちょうを崩くずしているとは知しらなかったので驚おどろいています。高校こうこう２に年生ねんせいの時とき、プロ野球やきゅうのオープン戦せんで当時とうじ国鉄こくてつの金田かねださんのピッチングを初はじめて見みて、球たまがものすごく速はやく感かんじたのを覚おぼえています。プロに入はいってからは記録きろくを追い求おいもとめていたからこそ長ながく現役げんえきを続つづけて400勝しょうを達成たっせいできたのだと思おもいます。自分じぶんも400勝しょうを目指めざしていましたが、達成たっせいできなかったからこそその偉大いだいさがわかります。本格ほんかく的てきなつきあいは名球会めいきゅうかいに入はいってからで、いろいろと声こえをかけていただきましたが、本当ほんとうに残念ざんねんです」と話はなしていました。

梨なし田た昌孝まさたかさん「偉大いだい過すぎる存在そんざいだった」

ＮＨＫえぬえいちけいプロ野球やきゅう解説かいせつの梨なし田た昌孝まさたかさんは「ことし６月ろくがつごろに東京ドームとうきょうど-むでお会あいした時ときは元気げんきそうだったのでまさかという感かんじだ。金田かねださんは野球やきゅう界かいにとって偉大いだいすぎる存在そんざい。いつも堂々どうどうと胸むねを張はって歩あるいている姿すがたを見みて体からだ全体ぜんたいからみなぎるパワーを感かんじたし、球場きゅうじょうで会あうと声こえをかけてくれる心こころの優やさしい方ほうだった」としのびました。

そして金田かねださんが現役げんえきを引退いんたいしたあとにプロ入いりした梨なし田たさんは、金田かねださんの現役げんえき時代じだいのピッチングについて、「映像えいぞうでしか見みたことはないが、体からだが大おおきく、腕うでも長ながくてまっすぐとカーブだけでねじ伏ねじふせていた。本当ほんとうにすばらしいボールを投なげていた。１いち度どでもボールを受うけてみたかったし、打席だせきに立たってみたかった」と話はなしていました。

また梨なし田たさんが近鉄きんてつに入団にゅうだんした翌年よくねんからロッテで監督かんとくを務つとめた金田かねださんについて、「ベースコーチに入はいって踊おどったり、しこを踏ふんだり、“かねやんダンス”と呼よばれるファンサービスでパ・リーグぱり-ぐを盛り上もりあげてくれた。ロッテの選手せんしゅがホームランを打うつと、金田かねださんはまっさきにホームベースの近ちかくで出迎でむかえてキャッチャーの僕ぼくの頭あたまをなでながら、『よし、おまえはいいやつだ』と声こえをかけられたことが何なん回かいもあった。個性こせい的てきで豪快ごうかいな方ほうだった」と懐なつかしそうに振り返ふりかえっていました。

前日ぜんじつは家族かぞくでラグビーＷ杯だぶりゅ-はい観戦かんせん 長男ちょうなん「懸命けんめいに戦たたかった」

金田かねだ正一しょういちさんの長男ちょうなんで俳優はいゆうの賢一けんいちさんが東京とうきょう都内とないの自宅じたく前まえで６ろく日にち夜よる、報道ほうどう各社かくしゃの取材しゅざいに応おうじました。

賢一けんいちさんは金田かねださんが亡なくなったときの状況じょうきょうについて「兄弟きょうだい全員ぜんいんでしっかりと見送みおくることができたし、それぞれが父ちちの最後さいごをきちんと受け止うけとめられました。横よこになっている姿すがたを見みると今いますぐにでも起おきそうな風かぜに見みえるし、なんで俺おれがここで死しんでいるのか、いちばん戸惑とまどってるのは、おやじかもしれません。起き出おきだして『腹はら減へった』と言いいだしそうな穏おだやかな達成たっせい感かんのある顔かおをしていました」と明あかしました。

野球やきゅうをはじめスポーツ全般ぜんぱんが好すきだった金田かねださんのため、病室びょうしつのテレビをスポーツ中継ちゅうけいにしていて、前日ぜんじつは家族かぞくでラグビーワールドカップの日本にっぽん代表だいひょうの試合しあいを見みたということです。

金田かねださんとの思い出おもいでを聞きかれて「野球やきゅうを一緒いっしょに見みていると隣となりでずっと解説かいせつをしてくれました。野球やきゅう一筋ひとすじの人生じんせいでしたから、天国てんごくに行いっても野球やきゅうをやっているかもしれませんね」と話はなしました。

そして「自分じぶんにとって野球やきゅうはめしの種たねだとよく話はなしていました。おいしいものを食たべる、家庭かていを守まもるために懸命けんめいに戦たたかった戦場せんじょうがプロ野球やきゅうというだけだったと思おもいます。違ちがう世界せかいにいたとしても名なを残のこした人ひとになったと思おもう」と話はなしていました。