吉野さんはエントランスで集まった報道陣に対して「昨夜は一杯飲んで、ぐっすり寝られました。新聞を見て受賞が決まった実感がわいてきました」と一夜明けた感想を笑顔で語りました。
そして、社内では多くの関係者が集まっていて、一緒に仕事をしてきた仲間から花束を受け取ると、フロアを埋め尽くすほど集まっていた社員たちからは大きな拍手が起きていました。
吉野さんは「社員の皆さんが喜んでくれるのがうれしいのはもちろんですが、皆さんの家族や子どもが喜んでくれていると聞いて非常にうれしいです。これから大変な数か月が続くと思いますが、頑張っていくのでよろしくお願いします」と話していました。
吉野さんが退出する際には社員が集まって見送り、何度も「おめでとう」と大きな声がかかり、吉野さんは笑顔で応じていました。
37歳の社員の男性は「きのうは飛び上がるくらい驚きました。同じ会社で働けることを誇りに感じています。本当におめでとうございます」と話していました。
吉野さんは午後1時からは妻の久美子さんとともに記者会見に臨む予定です。
妻の久美子さん「おめでとうと直接伝えたい」
ことしのノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰さんの妻の久美子さんは、10日午前9時ごろ記者会見が行われる都内の会場に向かうため神奈川県藤沢市の自宅を出る際に、報道陣の取材に応じました。
久美子さんは9日に受賞を知らせる電話を受けたあとは吉野さんと一度も話していないということで「夫に会ったら『おめでとう。よかったね』と直接伝えたい」と、改めて功績をたたえていました。
そして「気持ちが高ぶって夜は一睡もできませんでした」と話し、足早にタクシーに乗り込んで目的地に向かいました。