宮内庁によりますと、上皇さまは、けがをされた上皇后さまの様子を気遣いながら、静かで穏やかな日々を規則正しく過ごされています。
食事時には、以前から、誤えんを防ぐため会話を控えてテレビのニュースを見ているほか、毎日朝夕に新聞を読むなどして国内外の動向に目を留めていて、元日の地震で大きな被害を受け、9月に記録的な大雨災害に見舞われた能登半島の状況と被災者の生活を案じられているということです。
上皇さまの日常は、今も戦争の記憶と深くつながっているということで、5月には、当時の記憶をたどる旅として、栃木県日光市を上皇后さまとともに訪ねて、疎開生活を送ったかつての御用邸などをご覧になりました。
上皇さまは、おととし心不全の診断を受けましたが、薬の服用や水分の摂取制限といった内科的治療によって比較的安定した状態が続いていて、体調に大きな変わりはないということで、ライフワークのハゼ類の研究も続けられています。
上皇さまの学習院時代の同級生の榮木和男さんは「4日前に生まれた私が学友の中でいちばん誕生日が近いと思いますが、お元気でいらっしゃる姿を拝見して、結構だな、どちらが元気でもありがたいことだなと思っています。無理はなさらず、天皇としての公務の中でできなかったことがあれば、それを楽しんでお過ごしいただければと思います。また顔を合わせる機会ができればありがたいです」と話していました。