上野うえの由岐子ゆきこ「ソフトボール人生じんせいをすべてこの大会たいかいに」

「13年ねんぶりという感傷かんしょうよりも、わくわく感かんが大おおきすぎた。興奮こうふんしすぎないよう抑おさえたことで1回かいは丁寧ていねいに投なげすぎてしまった」

新型しんがたコロナウイルス感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで国際こくさい大会たいかいがおよそ2年間ねんかん開催かいさいされなかったため、チームとしてこれまでに積み上つみあげたデータをふだんより重視じゅうし。長打ちょうだ力りょくが持ち味もちあじのオーストラリア打線だせんに対にたいし、コースに慎重しんちょうに投なげ分わけるピッチングを心こころがけました。

その結果けっか、厳きびしいコースがボールと判定はんていされたり、デッドボールになったりしてみずからを追い込おいこむことになりました。

2回かいには3者しゃ連続れんぞく三振さんしんを奪うばうなど5回かい1アウトまで投なげて、7つの三振さんしんを奪うばい、13年間ねんかんの空白くうはくを経へてさらなる成長せいちょうを示しめしました。

「20年間ねんかん以上いじょう、上野うえのに投なげてもらった。いや投なげていただいた、が正ただしいかもしれない。上野うえのがいて優勝ゆうしょうという夢ゆめがかなってきたことを考かんがえると最初さいしょのスタートはやっぱり上野うえのしかいないと思おもった」

競技きょうぎを続つづけるか悩なやんでいた時ときも上野うえの投手とうしゅをそばで支ささえてきた宇津木うつき監督かんとく。久々ひさびさのオリンピックでのピッチングを見みてこみ上こみあげるものがあったと振り返ふりかえりました。

宇津木うつき監督かんとく

「上野うえのがサークルに立たったとき、心こころの中なかですごくうれしく涙なみだもあって。自分じぶん自身じしんが上野うえのの成長せいちょうを18歳さいからここまでずっと見みてきた。感無量かんむりょう、うれしい」

「1つは上野うえの勝負しょうぶかなという感かんじがする。もちろん藤田ふじたもいるし後藤ごとうも今いま、調子ちょうしが上あがってきてるので2人にんの起用きようもカギだと思おもうが、上野うえのはきょうを含ふくめて6試合しあい全部ぜんぶを投なげるくらいの覚悟かくごでやった方ほうがいい。上野うえのを中心ちゅうしんに回まわしていくんじゃないか」

ソフトボールは次つぎのパリ大会たいかいでは行おこなわれません。このため上野うえの投手とうしゅにとっておそらく最後さいごとなる3回かい目めのオリンピック。22日にち、39歳さいの誕生たんじょう日びを迎むかえるエースは連投れんとうも辞じさない覚悟かくごができています。

「やっとこの舞台ぶたいに帰かえって来きたられたという思おもいが私わたし自身じしん強つよい。ソフトボール人生じんせいをすべてこの大会たいかいにぶつけていきたい」