水谷みずたに選手せんしゅと伊藤いとう選手せんしゅのペアの強つよみのひとつが抜群ばつぐんの信頼しんらい関係かんけいです。

水谷みずたに選手せんしゅが32歳さい、伊藤いとう選手せんしゅが20歳さいと年齢ねんれいは12歳さい離はなれていますが、実家じっかが近ちかく、伊藤いとう選手せんしゅが幼おさないころから交流こうりゅうがあります。

水谷みずたに選手せんしゅが「昔むかしからずっと知しっているので何なにでも自分じぶんが思おもったことを試合しあい中ちゅうに言いうことができる」と話はなせば、伊藤いとう選手せんしゅも「水谷みずたに選手せんしゅに意見いけんを言いえる選手せんしゅはほとんどいないと思おもうが、私わたしは小ちいさいころから性格せいかくなどを知しっているので言いうことができる」と話はなすなど、試合しあい中ちゅうに気きづいたことなどを互たがいに遠慮えんりょなく話し合はなしあうことで連携れんけいを深ふかめてきました。

決勝けっしょう進出しんしゅつをたぐり寄よせた裏うらには、勝敗しょうはいを分わけたラリーがありました。

台湾たいわんペアとの対戦たいせんとなった準決勝じゅんけっしょう。

互たがいに1ゲームずつを取り合とりあって迎むかえた第だい3ゲームも9対たい9と終盤しゅうばんまで競り合せりあう展開てんかいとなりました。

次つぎのポイントをどちらのペアが奪うばって先さきにゲームポイントを握にぎるのか。

大おおきな勝負しょうぶどころとなったこの場面ばめんは、互たがいに一いち歩ほも譲ゆずらない20回かいという長ながい打ち合うちあいのラリーとなりました。

このゲームは台湾たいわんの男子だんし選手せんしゅのボールを女子じょしの伊藤いとう選手せんしゅが打ち返うちかえさなければならず、本来ほんらいなら日本にっぽんが不利ふりになるところでしたが、伊藤いとう選手せんしゅは男子だんし選手せんしゅのボールに力負ちからまけせずにしっかりと打ち返うちかえしました。

最後さいごは伊藤いとう選手せんしゅのフォアハンドを台湾たいわんの女子じょし選手せんしゅが返かえすことができず、大事だいじな1ポイントを奪うばいました。

伊藤いとう選手せんしゅはこのラリーについて、「男子だんし選手せんしゅのボールを受うけていたが、すごく気持きもちが良よかった。最後さいごは女子じょし選手せんしゅのフォアハンド側がわに狙ねらったボールが決きまって、何なんでも入はいるなと思おもった」と満面まんめんの笑えみで振り返ふりかえりました。

ペアを組くむ水谷みずたに選手せんしゅは、「卓球たっきゅう台だいから離はなれたラリーになると、女子じょし選手せんしゅが不利ふりになってしまうが、あのラリーは伊藤いとう選手せんしゅが最高さいこうの1本ほんを見みせてくれて、僕ぼくが一番いちばんびっくりした」と伊藤いとう選手せんしゅをたたえました。

このラリーを制せいして第だい3ゲームを奪うばった水谷みずたに選手せんしゅと伊藤いとう選手せんしゅのペアは一気いっきに流ながれをつかみ、その後そのごの2ゲームを連取れんしゅして決勝けっしょう進出しんしゅつを決きめました。

決勝けっしょうで対戦たいせんする中国ちゅうごくペアの男子だんしの許もとキン選手せんしゅは現在げんざいではあまりいないペンを握にぎるようにラケットを握にぎる「ペンホルダー」で、フォアハンドのドライブは大おおきく曲まがり、世界せかい屈指くっしの威力いりょくを誇ほこります。

それでも伊藤いとう選手せんしゅは「しっかりと打ち切うちきりたいと思おもう」と力強ちからづよく宣言せんげんし、そのことばを聞きいた水谷みずたに選手せんしゅも「彼女かのじょならやってくれるでしょう」と大おおきな信頼しんらいを寄よせていました。

中国ちゅうごくの許もとキン選手せんしゅと劉りゅう詩しブン選手せんしゅのペアは、おととしの世界せかい選手権せんしゅけんで金メダルきんめだるを獲得かくとくしていて、今こん大会たいかいの第だい1シードです。

25日にちの準決勝じゅんけっしょうでは第だい8シードのフランスペアと対戦たいせんしました。

試合しあいは、序盤じょばんから許もと選手せんしゅが強烈きょうれつなフォアハンドを打ち込うちこみポイントを重かさね2ゲームを連取れんしゅしました。

そして第だい3ゲームでは、フランスペアに先さきにゲームポイントを握にぎられましたが、劉りゅう選手せんしゅが鋭するどいショットを連続れんぞくで決きめて逆転ぎゃくてんして13対たい11で取とり、流ながれを渡わたしませんでした。

最後さいごまで強つよさを見みせた中国ちゅうごくペアはそのまま相手あいてを寄よせつけず、ゲームカウント4対たい0のストレートで勝かち26日にちの決勝けっしょうに進すすみました。

劉りゅう選手せんしゅは「きょうの結果けっかには満足まんぞくしている。決勝けっしょうは私わたしたちにとってチャレンジになるが、これまで準備じゅんびをしてきた自分じぶんたちのプレーをすれば金メダルきんめだるが取とれるだろう」と充実じゅうじつした表情ひょうじょうでした。

中国ちゅうごくペアは準決勝じゅんけっしょうまでの3試合しあいで1ゲームしか落おとしておらず盤石ばんじゃくの強つよさを見みせています。

日本にっぽんペアは決勝けっしょうの舞台ぶたいでこれまで不ふ戦勝せんしょうをのぞいて勝かったことがない「最大さいだいのライバル」と争あらそうことになりました。

それでも許もと選手せんしゅは、日本にっぽんペアについて、「過去かこの試合しあいではすべて勝かっているが、2人にんとも技術ぎじゅつが高たかい。ミスせずにプレーし、相手あいての勢いきおいに飲み込のみこまれペースを乱みだされないよう気きをつけなければいけない」と気きを引き締ひきしめていました。