内閣府が17日に発表した2024年10月から12月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてプラス0.7%となりました。
これが1年間続いた場合の年率に換算するとプラス2.8%で、3期連続でプラスとなりました。
主な項目をみますと、GDPの半分以上を占める「個人消費」は前の3か月と比べた伸び率がプラス0.1%とプラスを維持しました。
物価高による節約志向を背景にコメや野菜、衣類の販売が低調だった一方、宿泊や白物家電が好調でした。
企業の「設備投資」は、半導体製造装置が堅調だったことなどから、プラス0.5%と2期ぶりにプラスに転じました。
「住宅投資」はプラス0.1%、「輸出」はプラス1.1%でした。
一方、あわせて発表された2024年1年間のGDPは、実質の伸び率が前の年と比べてプラス0.1%となり、4年連続でプラスを維持しました。
また、物価の変動を反映した2024年1年間の名目GDPは609兆円余りとなり、年間の名目GDPとして初めて600兆円を超えました。
林官房長官「国民所得の向上と経済全体の生産性向上を図る」
林官房長官は午前の記者会見で「先行きについては海外経済の下振れリスクや物価上昇の継続が個人消費に与える影響などに注意する必要があるが、新年度の春季労使交渉での高い賃上げの継続に向けた動きがみられるなど景気の緩やかな回復が期待される」と述べました。
その上で「足元の物価高に対する万全の対応を行うとともに『賃上げこそが成長戦略の要』との認識のもと、賃上げを起点とする国民所得の向上と経済全体の生産性向上を図り成長型経済への移行を確実なものとしていく」と述べました。
赤澤経済再生相「個人消費に与える影響に十分注意する」
今回のGDPの結果をうけて赤澤経済再生担当大臣はコメントを発表し「中国など海外経済の下振れリスクや、アメリカの政策動向による影響のほか、食料品など身近な品目の物価上昇の継続が消費者マインドの下押しを通じて個人消費に与える影響に十分注意する必要がある」としています。
そのうえで「政府としては足元の物価高に対する万全の対応を行うとともに、賃上げを起点とする国民所得の向上と経済全体の生産性の向上を図り成長型経済への移行を確実なものとしていく」としています。