今シーズンから取り組んでいるノーワインドアップに加え、セットポジションからクイックモーションでの投球も試すなどより実戦を意識した内容で調整の段階を上げました。
2023年に受けた右ひじの手術の影響で昨シーズンバッターに専念した大谷選手は、2シーズンぶりの“投打の二刀流”の復帰を目指してアリゾナ州で行われているキャンプで調整を続けています。
18日はキャンプに入ってから2回目のブルペンでの投球練習を行い、中2日で前回より7球多い21球を投げました。
球種は前回と同じくストレートとツーシームの速球のみで変化球は解禁しませんでしたが、キャッチャーに向かってコースを指定して投げ込みながらこまめに球速や回転数などのデータを確認していました。
大谷選手はエンジェルス時代からランナーがいなくてもセットポジションのフォームで投げていましたが、このキャンプではピッチングフォームの見直しを進めていて、キャッチャーに正対した状態から振りかぶらずに投球動作に入るノーワインドアップの練習に取り組んでいます。
前回のブルペンはすべてこのノーワインドアップでしたが、この日は途中、ランナーを想定してセットポジションからクイックモーションでの投球も試していて、より実戦を意識している様子でした。
練習後にはマウンドでコーチとともにノーワインドアップの際の足の使い方を入念に確認する姿もありました。
大谷選手はこのキャンプ中にバッターを相手に実戦形式のピッチング練習を行う予定で、ピッチャーとしての復帰は5月以降になる見通しです。
また、バッターとしての出場についてはロバーツ監督が今月20日から始まるカブスとのオープン戦初戦は欠場するものの、今月中には出場する見通しであることを明かしました。
一方、前日にブルペンに入った山本由伸投手と佐々木朗希投手は守備練習などで軽めの調整でした。
日本代表 井端監督が視察
ドジャースのキャンプには野球日本代表の井端弘和監督が訪れ、来年3月のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックに向けて練習を視察したほか球団幹部と話し込む姿も見られました。
井端監督はまず山本投手のキャッチボールなど一とおり練習を視察し、ブルペンでは大谷選手の投球練習を真剣な表情で見守りました。
球団幹部のフリードマン編成本部長と話し込む姿も見られ、報道陣の取材には応じませんでしたが練習後は大谷選手や山本投手、佐々木投手と面会したものと見られます。
日本が優勝したWBCの前回大会では大谷選手が投打の活躍でMVP=最優秀選手を受賞し、当時はプロ野球の球団に所属していた山本投手と佐々木投手も主力として活躍しました。
井端監督は前日の17日にはエンジェルスの菊池雄星投手、パドレスのダルビッシュ有投手、松井裕樹投手のもとを訪れていて、連覇を目指す来年の大会に向けて今後も日本選手が所属するチームのキャンプ地をまわる予定です。