おととし、
選挙応援で
和歌山市を
訪れていた
岸田前総理大臣の
近くに
爆発物を
投げ込んだとして
殺人未遂などの
罪に
問われた25
歳の
被告に、
和歌山地方裁判所は「
現職の
総理大臣を
狙い、
社会全体に
与えた
不安感は
大きい」として、
懲役10
年の
判決を
言い渡しました。
兵庫県川西市の無職、木村隆二被告(25)は、おととし4月、和歌山市の漁港で選挙の応援に訪れていた岸田前総理大臣の近くに手製の爆発物を投げ込んで爆発させ、2人にけがをさせたなどとして、殺人未遂や爆発物取締罰則違反など5つの罪に問われました。
裁判では、被告に殺意があったかどうかが主な争点になりました。
19日の判決で和歌山地方裁判所の福島恵子裁判長は「専門家の実験によれば、爆発物には殺傷能力があると認められ、被告は岸田前総理大臣などが死亡するかもしれないと認識しながらあえて爆発物を投げ込んだ」と述べて殺意があったと認め、殺人未遂の罪が成立すると判断しました。
そのうえで「現職の総理大臣を狙い、社会全体に与えた不安感は大きい。被告は選挙制度について裁判を起こし、SNSで発信したが反応がなく世間の注目を集めるためにあえて要人を狙ったもので、計画的な犯行だ。模倣犯を防ぐためには厳しく罰する必要があり、民主主義の根幹である選挙制度を著しく妨害したのは軽視できない」として、懲役10年を言い渡しました。
判決が言い渡される間、被告は落ち着いた様子でまっすぐ前を見て聞いていました。