タイとの国境近くにあるミャンマーの犯罪拠点では、多くの外国人が特殊詐欺に加担させられているとみられ、日本人の高校生2人も先月から今月にかけて、タイの当局に相次いで保護されました。
このうち、今月12日に国境の川のタイ側で愛知県の16歳の高校生を保護した、タイ軍で国境警備を担当する部隊の隊員が19日、NHKの取材に応じ、高校生の安全を確保するため、複数の関係機関が連携して保護にあたったことを明らかにしました。
そのうえで隊員は「ミャンマー側の関係者と一緒に少年1人が船で川を渡ってきた。少年は帽子をかぶり、サングラスをかけていて表情はよく見えなかったが、われわれは川を安全に渡れるように気を配った」などと証言しました。
タイ軍などは、ミャンマーとの国境を流れる川の周辺などでパトロールをしたり検問を増やしたりして、特殊詐欺グループの関係者や誘い込まれた外国人などがいないか、警戒や監視を続けています。
“一日10時間働かされペナルティ怖かった” 帰国した高校生
愛知県の16歳の男子高校生は、ミャンマーにある拠点で特殊詐欺に加担させられたとみられ、今月隣国のタイで保護されて帰国しました。
高校生が警察に対し当時の様子について、一日10時間ほど働かされペナルティが怖かった、報酬はあり、生活のためだったという趣旨の話をしていることが捜査関係者への取材で分かりました。
高校生は、インターネットで知人から「特技を生かせて、能力を伸ばせる仕事がある」などと誘われたということで、パスポートを取って去年12月にタイに渡りました。
警察に対し、「空港に着いたら、待っていた車で国境沿いの街に連れて行かれた。その後、ボートに乗せられるなどしてミャンマーにある拠点まで連れて行かれた」と話しているということです。
警察は高校生が知らずに特殊詐欺の闇バイトに加担させられていたとみて、調べています。