岩屋外務大臣は、25
日、
中国で
王毅外相と
会談し、
来年の
早い時期に
王外相の
日本訪問を
実現すること
などで
一致しました。
政府は、
首脳の
往来も
実現したい
考えで、ハイレベルでの
対話を通じて、
両国間の
懸案の
解決につなげられるかが
焦点となります。
日本の外務大臣として、1年8か月ぶりに中国・北京を訪問した岩屋外務大臣は、25日、王毅外相と会談し、来年の早い時期に王外相の日本訪問を実現し、関係閣僚を交えて「ハイレベル経済対話」を開催することで一致しました。
また、岩屋大臣は、関係閣僚による「日中ハイレベル人的・文化交流対話」にも出席し、中国人の観光客向けのビザについて、富裕層の一部を対象に有効期限が10年間のビザを新設することなどを表明しました。
日中関係をめぐっては、先月、石破総理大臣が習近平国家主席と会談していて、政府関係者は「首脳会談から間を置かずに外相会談を実施でき、いい流れの中にある」としています。
一方、政府内には、中国が対話に前向きな姿勢を示しているのは、経済の減速や、アメリカのトランプ次期政権に備えた動きだとして、日中関係が改善基調に転換したと評価するにはまだ早いといった指摘もあります。
政府は、外相の相互往来に続き、首脳の往来も実現したい考えで、今後は、ハイレベルでの対話を通じて、日本産水産物の早期の輸入再開をはじめとする両国間の懸案の解決につなげられるかが焦点となります。
中国側 関係の安定化に意欲も台湾問題などで日本側をけん制
中国の王毅外相は25日行われた岩屋外務大臣との会談で日本との関係の安定化に意欲を示す一方、歴史認識や台湾問題などをめぐっては日本側をけん制しました。
中国外務省によりますと、王毅外相は会談で「両国関係を正しい軌道に沿って健全かつ安定的に発展させていきたい」と述べ、日本との関係の安定化に意欲を示しました。
一方、両国関係を発展させるための意見として「中国の発展を客観的かつ好意的に捉えるべきだ」と述べた上で歴史認識や台湾問題などをめぐって「日本は約束を守るべきだ」などと日本側をけん制しました。
このあと行われた関係閣僚による「日中ハイレベル人的・文化交流対話」で、王外相は来年が戦後80年となることに触れ、「日本は改めて歴史の問いに直面している。日本が再び平和的発展への決意を示すことを願い信じている」と述べたということです。
中国は日本との関係の安定化に意欲を示す一方、歴史認識や台湾問題では譲らない姿勢を改めて示した形です。