クマが人を傷つける被害が、今年度はこれまでで最も多いペースで増加しています。環境省によると、4月から7月末までの間に全国で54件の被害が報告されました。同じ期間としては、比較可能な2007年以降で最も多い数字です。今年の秋は、東北地方でクマが好むブナの実が大凶作と予測されています(実のりが非常に少ない状態)。そのため、エサを求めて人間の住む地域に出没するクマが増える可能性が懸念されています。
都道府県別の被害は、岩手県が15件、秋田県が9件、福島県が7件などです。1年間で最も多かったのは10年度の145件でしたが、今年はそれを上回る勢いのようです。環境省は「木の実が不作だと、クマはエサを探して山や人里を動き回ります。山に入る際は、クマよけの鈴を身につけるなど、十分な警戒が必要です」と呼びかけています。