通常国会が24
日に
召集され、
石破総理大臣は
少数与党と
なる中、
新年度予算案などの
成立に
向けて
各党と
濃密な
議論を
行い、
合意形成を
図る考えを
示しました。
一方、
立憲民主党の
野田代表は、
予算案の
内容を
精査して
修正を
迫るなど、
党の
存在感を
示したいと
強調しました。
第217通常国会が24日に召集され、参議院では、午前10時から本会議が開かれ、常任委員長の選出や特別委員会の設置などの手続きが行われました。
国会ではこのあと、天皇陛下をお迎えして開会式が行われ、その後、衆参両院の本会議で石破総理大臣の施政方針演説など政府4演説が行われます。
これに先立って、石破総理大臣は24日午前、総理大臣官邸で記者団に対し「多くの国民に『政府の言うことはもっともだ』と思ってもらい、その結果、多くの党に賛同してもらえるよう誠心誠意、努めていく。濃密な議論が行われ、よりよい結論が得られるよう政府として努力したい」と述べました。
一方、立憲民主党の野田代表は記者会見で「1番大きな焦点は、前半国会では新年度予算案の審議だ。しっかりとチェックして、出てくる財源を学校給食費の無償化などの政策に生かし、財源に責任を持った対応で存在感を示したい」と述べました。
通常国会の会期は、6月22日までの150日間で、夏には、参議院選挙や東京都議会議員選挙を控えていることから、序盤から与野党の激しい論戦が展開される見通しです。
政府・与党 新年度予算案の年度内成立目指す
初めてとなる施政方針演説で、石破総理大臣は少数与党での政権運営について、自民党と公明党は国民に責任を持つ「責任与党」だとした上で、党派を超えた合意形成を図るため与野党で熟議し、国民の納得と共感を得られるよう努める考えを示すことにしています。
政府・与党は、野党の理解を得ながら、地方創生や防災の強化策などを盛り込んだ新年度予算案の年度内成立に全力を挙げる方針で、与党は今週、立憲民主党や日本維新の会、国民民主党と政策責任者による会談を個別に行い、予算案への考え方などを聴き取りました。
これに対し野党側は、予算案の内容は不十分だとして各党が精査を行い、経済政策や教育支援などにあてるため、修正を求めることにしています。
また、東京都議会の自民党会派が開いた政治資金パーティーをめぐって会計担当者が略式起訴されたことなどを受けて、政治とカネの問題についても追及する構えです。
このほか通常国会では、与野党が3月末までに結論を出すことを申し合わせている企業・団体献金の扱いや、選択的夫婦別姓の制度のあり方についても議論が行われる見通しです。
石破首相「意見丁寧に聴き 合意形成を」
石破総理大臣は24日朝、東京港区の増上寺で与野党の国会議員が参加する会合に出席しあいさつしました。
この中で石破総理大臣は通常国会の召集に関連し、「少数与党は各党の意見を謙虚に聴かないと法律案も予算案も一切通らない。日本や世界のために与野党の知恵と力をいただきたい」と述べ、各党の意見を丁寧に聴きながら合意形成を図る考えを重ねて示しました。
その上で、午後に行う施政方針演説について「『楽しい日本』を目指したいと申し上げる。SNSなどが原因で世の中で罵詈雑言が飛び交っているが、日本は互いを思いやる国でありたいと改めて思っている」と述べました。
林官房長官「丁寧に説明し誠実に対応」
林官房長官は午前の閣議のあとの記者会見で、「石破内閣としては先の衆議院選挙で示された国民の声を踏まえ、自民・公明両党の連立を基盤に他党にも丁寧に意見を聴き、可能なかぎり幅広い合意形成が図られるよう真摯に、謙虚に国民の安心と安全を守るべく取り組むこととしている。通常国会でも政府の取り組みを丁寧に説明し、国会審議に誠実に対応していきたい」と述べました。
立民 野田代表「存在感を示し参院選へ」
立憲民主党の野田代表は党の参議院議員総会で「いよいよきょうから国会が始まるが、衆参でしっかり連携して存在感を示し、勢いをつけて、7月の参議院選挙での躍進につなげていきたい」と述べました。
その上で「都議会自民党でも『裏金』の問題が出てきたので、国政と都政で連携しながら徹底して究明したい。一番の本分は予算審議だが、むだがないか調べ抜いて、修正につなげるようなダイナミックな雰囲気にしていきたい」と述べました。