あるところに、とっても仲の良いネズミの若者(チョロ吉)と娘(チュウ子)がおりました。
この二人は、将来結婚しようと誓い合っていました。
この娘のおやじ様は、村の庄屋さまでした。おやじ様は娘の想いとは裏腹に、年頃になった娘を、この世の中で一番強い「太陽様」に貰ってもらうと発表しました。
これを聞いた村の年寄ネズミは、庄屋さんに言います。「太陽より雲が強い、雲より風が強い、風より壁が強い。そのお壁様に穴をあけてしまう、おら達ネズミが一番強い。だから娘の婿は、この村の若者が一番良い」
これを聞いたおやじ様はなるほどと納得し、ネズミの中から一番強い者を決めることにしました。
そうして、この村一番の力持ちのチュン太と、チュン子の恋人であるチョロ吉が試合をすることになりました。
予想通り、チョロ吉は顔の形が変わるくらいボコボコに殴られるも、絶対に降参しません。これを見ていたおやじ様は、チョロ吉の根性を認め、婿はチョロ吉にと決めました。この世で一番強いのは、好きあった者同士。チョロ吉とチュウ子は末永く幸せに暮らしました。