ウクライナ大統領府顧問のポドリャク氏は先月下旬、首都キーウでNHKの単独インタビューに応じました。
この中で、ポドリャク氏は、戦争の終結に意欲を示すアメリカのトランプ大統領について「本人と周辺からはまったく異なる意見も聞かれる」と述べ、具体的な停戦の案が示されていない段階では、まずはトランプ氏の出方を見極める必要があるという考えを示しました。
そのうえで「ロシアへの強制力なしに停戦の実現は不可能だ。圧力は、停戦だけでなくロシアの段階的な敗北にもつながる」と述べ、トランプ政権が各国とともに軍事面や経済面でロシアへの圧力を強め、交渉に応じさせることでしか、ウクライナが求める平和は実現しないと強調しました。
また、ポドリャク氏は、ロシアによる軍事侵攻が再び起きないようウクライナが欧米に求めている「安全の保証」について「その準備ができれば、戦争を終わらせることができる」と述べ、ウクライナは十分な安全が確保できれば、停戦協議に向けた環境が整うという考えを示しました。
一方、ロシアについては「彼らにとっては紛争の凍結が好都合だ。ロシアは巨額の資金を投じてウクライナ国内の結束を破壊しようとするだろう」と述べ、仮に停戦に応じたとしても一時的なもので、領土問題や停戦をめぐる世論の分断など、ウクライナ社会の混乱を突く形で再び侵攻する機会をうかがうと警戒感を示しました。