源げんエ門もんボット

昔むかしある所ところに「源げんェ門もん」という長者ちょうじゃがいた。その屋敷やしきにはたくさんの「ボット」が住すみ着ついていた。ボットとはカエルのことである。なのでこのカエル達たちは「源げんェ門もんボット」と呼よばれていた。

このボット達たちは毎日まいにちぜいたくな生活せいかつばかりしていたので太ふとっており、さらに腹はらには大おおきなへそがついていた。村人むらびとは、あれはぜいたくな腹はらにもうひとつぜいたくな腹はらが出来できたんだと言いっていた。

しかしある時源ときげんェ門もんの屋敷やしきは潰つぶれてしまい、ボット達たちは食くい物ものが無むくなって困こまってしまった。空腹くうふくで鳴ないていると、村むらから美味おいしそうなにおいがしてきた。ボット達たちはにおいのする方かたへ行いってみると、村人むらびとがさつま芋いもを焼やいて食たべていた。

ボット達たちは村人むらびとに芋いもをわけてもらうと、あっという間まに食たべてしまった。 すると焼やき芋いもを食たべたボット達たちは屁へをこき始はじめた。その屁へがあまりに臭くさいので、村人むらびとはどんぐりでボット達たちの尻しりに栓せんをした。するとボット達たちの腹はらが膨ふくらみ始はじめ、とうとう屁へが噴射ふんしゃし、空高そらたかく舞まい上あがった。

ボット達たちは雲くもの上うえにいた雷様らいさまに、下したに降おろしてほしいと頼たのんだ。すると雷様らいさまはそのへそをよこせば降おろしてやると言いう。へそを取とられたら痛いたいのでボット達たちは雲くもの上うえを逃にげ回まわったが、やがて雷様らいさまにへそを取とられてしまった。へそを食たべた雷様らいさまは太鼓たいこを鳴ならして雨あめを降ふらせ、ボット達たちはその雨あめを伝つたって下したへ降おりた。

下したへ降おりたボット達たちは、へそが無なくなったので身みが軽かるくなり、雷様らいさまに感謝かんしゃした。それ以来いらい、ボット達たちは怠なまけているとまた大おおきなへそが出来できると思おもい、一生懸命働いっしょうけんめいはたらくようになった。 そして雨あめが降ふると雷様らいさまに感謝かんしゃし「源げんェ門もん、源げんェ門もん」と鳴なくようになった。