メキシコ、カナダがアメリカへの薬物流入などの対策を実施すると約束したためとしています。また、中国側とも24時間以内に協議するとしています。
メキシコ 発動を1か月停止で合意
トランプ大統領は2月1日に
▽カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を、
▽中国には10%の追加関税を、
それぞれ課す大統領令に署名し4日から発動する予定でした。
3日トランプ大統領は、メキシコのシェインバウム大統領と電話で会談しました。そして自身のSNSで「彼女は両国の国境へ直ちに1万人のメキシコ兵を派遣することに同意した。兵士たちは、薬物のフェンタニルや不法移民の流入を阻止するために特別に任命される」と投稿しました。
そのうえで4日から予定していた25%の関税措置の発動について1か月間停止することで合意したと表明しました。
シェインバウム大統領も3日、記者会見を開き、一定の条件をみたせば関税がゼロになるアメリカ、メキシコ、カナダで締結している現在の貿易協定について、トランプ大統領に「中国や世界のほかの国々と競争していくうえで最善の道だ」として事態の解決のために協議を行うべきだと提案したことを明らかにしました。
カナダも発動を30日間停止
またトランプ大統領は3日、カナダのトルドー首相とも電話で会談しました。
SNSには「カナダは13億カナダドルの国境警備計画に加えて新たにフェンタニル対策の責任者を任命すると約束した」などと投稿し、カナダとの間で最終的に経済面での取り引きが成立させられるかを見極めるため関税措置の発動を30日間停止することを明らかにしました。
トランプ大統領は3日午後、記者団に対し関税措置などをめぐって24時間以内に中国側とも協議する意向を示しており、アメリカが中国への追加関税措置を停止するかどうかが焦点となります。
トランプ大統領「中国ともおそらく24時間以内に話す」
アメリカのトランプ大統領は、3日午後、記者団に対し、4日から中国に10%の追加関税を課すとした措置などをめぐって、中国ともおそらく24時間以内に話すことになるだろうと述べました。
シェインバウム大統領「よいやりとりだった」
シェインバウム大統領はトランプ大統領との電話会談のなかで、関税措置の発動を止めてほしいと伝え、現在のアメリカとメキシコ、カナダのあいだで締結している貿易協定が中国や世界のほかの国々と競争していくうえで最善の道だとして、両国の通商担当どうしで事態の解決のために協議を行うべきだと提案したということです。
トランプ大統領から「関税措置をどのくらい停止してほしいのか」と問われ、シェインバウム大統領は「永遠に」と答えたということです。
これに対し、トランプ大統領が重ねて「どれくらいの期間か」と問い、シェインバウム大統領が「1か月あればあなたの国民にも、メキシコ国民にも良い結果が出せるだろう」と話し、合意に至ったとしています。
またシェインバウム大統領はトランプ大統領との間でメキシコからアメリカへの麻薬の密輸を防ぐため、ただちに国家警備隊1万人をアメリカとの国境に配置することやアメリカがメキシコへの高性能の武器の密輸防止に取り組むことでも合意したと明らかにしました。
会談はおよそ30分に及んだということで、シェインバウム大統領は「おたがいに敬意ある雰囲気のなかで、よいやりとりだった」としています。
トルドー首相「よい電話ができた」
カナダのトルドー首相は3日、SNSで「トランプ大統領とよい電話ができた」とした上で、アメリカのトランプ大統領が4日からカナダに課すとしていた25%の関税措置について、発動が少なくとも30日間、停止されることになったと明らかにしました。
この投稿の中でトルドー氏は、国境対策のためにカナダが13億カナダドル、日本円でおよそ1400億円を投じるとともに、あわせて1万人を国境警備のために配置する計画を実行していると強調しました。
さらに、カナダ政府として薬物のフェンタニル対策の責任者を任命するとともに、24時間365日、国境を監視し、組織犯罪やフェンタニルなどを取り締まるための両国の合同部隊を発足させることで合意したということです。
トルドー首相は、アメリカがカナダからの輸入品に対し25%の関税を課した場合、報復措置としてアメリカからの輸入品に同じ25%の関税を課す意向を示していました。