トランプ大統領は、就任初日にアメリカ政府が行う海外援助を90日間停止し、内容を見直すとする大統領令に署名し、これを受けて国務省とその傘下のUSAID=アメリカ国際開発庁は、食料支援など一部を除く海外援助を一時的に停止しています。
これについてUNFPA=国連人口基金は4日、スイスのジュネーブで記者会見し、アメリカからの資金に支えられていた事業を10か国以上で停止したと明らかにしました。
具体的には、アフガニスタンで900万人以上、パキスタンで170万人、バングラデシュでおよそ60万人が出産にかかわる保健サービスを受けられなくなるだろうとしています。
なかでもアフガニスタンでは、ことしから2028年の間に1200人の妊産婦が死亡するおそれがあると推計しています。
UNFPAは「何百万人もの命を救ってきたことは、アメリカの納税者にとっても有益な支出だった」として、支援の再開を呼びかけています。
米ルビオ国務長官「緊急性ある支援なら停止の対象外」
アメリカのルビオ国務長官は、訪問先の中米コスタリカで4日、記者団に対し「食料や医薬品の提供など、生命に関わる緊急性のある支援なら停止の対象にはならない」と強調しました。
その上で「私は海外援助を長年、支持してきたし、これからも支持するが、海外援助は慈善事業ではない。われわれが国益につながらないと考える事業もあり、それらは廃止されるべきだ」と述べ、トランプ政権の方針に沿わないと判断した事業を見直す考えを改めて示しました。