フランスなどの研究チームは8日までに、精緻(せいち)な線やモチーフが刻まれた青銅器時代の石版について、欧州最古の地図と判明したと明らかにしました。
この石版は「サン・ベレクの石版」と呼ばれ、1900年に見つかったものの、その後は1世紀近く忘れられていました。研究チームは今回、高精度の3D調査や写真測量を駆使して再調査を行いました。
調査に当たった仏国立予防考古学研究所(INRAP)、英ボーンマス大、仏国立科学研究センター(CNRS)、仏西ブルターニュ大の研究チームによると、その結果、存在が知られている欧州内の土地についての最も古い地図表現であることが判明したということです。
この石版は数奇な運命をたどってきました。出土場所は西ブルターニュの埋葬塚です。専門家によると、初期青銅器時代の末期(紀元前1900~1640年)の時期に、遺体を収容する棺(ひつぎ)のような箱の壁の一部として再利用されたとみられています。