ボーイング、１３日にちにストへ　組合員くみあいいん３万まん３千人せんにんが労働協約案ろうどうきょうやくあんを否決ひけつ

米航空大手べいこうくうおおてボーイングの労働組合ろうどうくみあいは１２日にち、会社かいしゃとの４年間ねんかんの労働協約案ろうどうきょうやくあんを圧倒的多数あっとうてきたすうで否決ひけつし、１６年ねんぶりとなるストライキを承認しょうにんした。国際機械工労働組合こくさいきかいこうろうどうくみあい（ＩＡＭ）が明あきらかにした。労働者約ろうどうしゃやく３万まん３０００人にんが職場しょくばを離はなれれる構かえを示しめしており、１３日午前にちごぜんからストが始はじまる見通みとおし。

否決ひけつされた労働協約案ろうどうきょうやくあんは対象期間中たいしょうきかんちゅうに少すくなくとも２５％の賃上ちんあげを行おこなう内容ないようで、労組指導部ろうそしどうぶはこれまでの交渉こうしょうで最高さいこうの条件じょうけんと評ひょうしていた。ボーイングは次期商業じきしょうぎょうジェットの開発かいはつを労組ろうそのある工場こうじょうで行おこなうと約束やくそくしており、労組加盟者ろうそかめいしゃの雇用保障こようほしょうも強化きょうかする内容ないようだった。この条項じょうこうを盛もり込こまない協約きょうやくとなった場合ばあい、ボーイングは労組ろうそのない工場こうじょうで同機どうきを開発かいはつする決定けっていを下くだす可能性かのうせいがある。

だが、ＩＡＭ組合員くみあいいんの９５％がこの案あんを否決ひけつした。別べつの投票とうひょうでは９６％がストライキ実施じっしを認みとめ、スト承認しょうにんに必要ひつような３分ぶんの２の基準きじゅんを優ゆうにクリアした。

ストは米太平洋時間べいたいへいようじかん１２日午後にちごご１１時じ５９分ふん、米東部時間べいとうぶじかん１３日午前にちごぜん２時じ５９分ふんに始はじまる予定よてい。残のこりの時間じかんで新あらたな合意ごういに達たっする可能性かのうせいもあるが、一般組合員いっぱんくみあいいんの会社かいしゃへの怒いかりが大おおきいことから、スト回避かいひの可能性かのうせいは少すくないとみられる。

ＩＡＭの責任者せきにんしゃジョン・ホールデン氏しは投票結果とうひょうけっかを発表はっぴょうした際さい、「これは我われわれ々の未来みらいを巡めぐる闘たたかいだ」と説明せつめい。「組合員くみあいいんが重要じゅうようだという問題もんだいを前まえに進すすめるためなら、いつでも交渉こうしょうの席せきに戻もどる」と述のべた。

ボーイングに今回こんかいの発表はっぴょうに関かんするコメントを求もとめたものの、現時点げんじてんで返答へんとうはない。

ボーイングでは過去かこの譲歩じょうほやレイオフ（一時解雇いちじかいこ）、労組ろうそのない工場こうじょうへの仕事しごとの移転いてんなどから会社かいしゃへの怒いかりが広ひろがっており、投票とうひょうで新協約しんきょうやくが否決ひけつされることは予想よそうされていた。

ボーイングのケリー・オートバーグ新最高経営責任者しんさいこうけいえいせきにんしゃ（ＣＥＯ）は今週こんしゅう、社員しゃいんが過去かこの条件じょうけんに不満ふまんを抱いだいていることは認みとめつつも、労組組合員ろうそくみあいいんに対たいして新協約案しんきょうやくあんに賛成票さんせいひょうを投とうじるよう求もとめていた。

スト決行けっこうの場合ばあい、ボーイングにとっては新あらたな打撃だげきとなる。ここ５年ねん、ボーイングは相次あいつぐ問題もんだいに見舞みまわれており、その多おおくは企業財務きぎょうざいむに痛手いたでとなっている。

２０１８年ねん１０月がつと１９年ねん３月がつに発生はっせいした２度どの「７３７ＭＡＸ」墜落事故ついらくじこでは計けい３４６人にんが死亡しぼうし、２０カ月げつの飛行停止ひこうていしや欠陥修正けっかんしゅうせいのための納入停止のうにゅうていしを余儀よぎなくされた。